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| 「共演者たちとのやり取りが楽しみ」と話す仲村トオル=東京都世田谷区(三尾郁恵撮影)(写真:産経新聞) |
人のいい心療内科医・田口公平(伊藤淳史)との凸凹コンビで、医療現場に巻き起こる事件や困難に立ち向かう厚生労働省の変わり者官僚・白鳥圭輔。人気シリーズ「チーム・バチスタ」が今夏も帰ってきた。膨大な知識を武器に、とうとうと理論を繰り広げ、守旧派たちを圧倒する“ロジカル・モンスター”は最新作でも健在だ。
「3作目ともなると、グレードアップとかどんな手があるかを考えても、結局は『やったね、オレたち』という自己満足でしかない。今まで通りの素材で心を込めて作って、おいしいと思ってもらえるような作業をする。変な頑張りはしないことかなぁ」
気負いはない。
「ポジティブな操り人形」。俳優としてのスタンスをひと言で表せば、こんな感じだろうか。
デビュー作「ビー・バップ・ハイスクール」から25年。「あぶない刑事(デカ)」などの鮮烈なイメージの初期から、その後の曲折を経てたどりついた。
「自分の好みや価値観だけでやっていると、結局は自分の限界を超えない。脳みそにあるものしか出てこない。それなら、人からもらえばいいと。衣装合わせなら、この紫色のネクタイもスタイリストさんがシナリオを読んで考えた。その時は分からなくても、あとで見たら『なるほど』という発見があるんですよ」
30代後半、不思議な作品と出合った。万田邦敏監督の映画「UNloved」。その中で不自然なせりふをしゃべりまくる男を任された。
それまで、役をもらえば人物の“過去”までも自分なりに想像して分析するなど研究を欠かさなかった仲村。この時も考え抜いた結果、不自然なせりふを自然に聞こえるよう演じた。
ところが、監督から「私の狙いから一番遠い。不自然なせりふを不自然に言うことで、不自然さを克服してください」。
その後も、「そこは3歩進む」「左から振り返る」「抑揚はいりません」。あまりにストライクゾーンの狭い演出に、逆に面白みを感じ、操り人形のように身を委ねてみた。完成作には、これまで見たことのない「自分」がいた。
いろんなものをそぎ落としてきた。それでも「あぶない刑事」コンビの舘ひろしと柴田恭兵、2人の教えはいまだに心の中に点り続けている。
「舘さんでよく覚えているのは、『海外移動は、コンコルドのファーストクラスだった。ボロの革ジャンとGパン姿でよく止められたよ。たしかに当時の自分には身分不相応。でも、そうして背伸びしていると、それがいつか似合ったりするもんだよ』。まさに生き様です。恭兵さんは撮影現場での頭と気の使い方。リラックスしているけど油断しない。時にはアドリブも出す。今回も、伊藤くんたちとのやり取りが楽しみですね」(文・豊田昌継 写真・三尾郁恵)
◆なかむら・とおる 昭和40年9月5日、東京都生まれ。専修大学文学部卒。映画「ビー・バップ・ハイスクール」の主演オーディションで合格し、デビュー。その後「あぶない刑事」シリーズなどで人気を博す。ドラマや映画に多数出演。平成7年に女優、鷲尾いさ子と結婚。現在、2女の父親。
「この記事の著作権は産経新聞に帰属します。」
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