松山市勝岡町・第53番・円明寺奥の院にて、お接待を戴き、人の温かみを感じた。 | master082オフィシャルブログ"From Sky Across Me"

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また更新。

先日、またかみさんと息子、そしてかみさんの母上様(=義母)、その飼い犬とともに、遍路旅に出てきました。

今回の目的。

①わたしの本厄・厄除祈願。
②遍路@松山あたり。


ということでした。

①の厄除祈願は、今治市菊間の「遍照院」さんで祈願してきました。
その模様はまた後日、です。

今回は②の中の、53番札所・円明寺の奥の院に参拝したときのお話をアップします。

これが円明寺奥の院の全容です。

実は、ここにたどり着くのに、ある一人の女性の方に助けて頂きました。

我々が、この奥の院を目指すため、ランドマークにしてたのが「愛媛県運転免許センター」だったのですが、さすがに免許センターに駐車して、"しれっと"遍路に出るのは気が気でなかったので、もう1つのランドマークとして、奥の院近くにある、と思われた、「勝岡八幡神社」に車を"しれっと"止めて徒歩で向かおうと思っていたのです。

徒歩で向かおうとしていた所へ、1台の車が。乗ってたのは地元の人と思わしき女性。

我々の横に止まり、ひとこと。

「奥の院に行くん?」

我々「ええ。徒歩で向かおうと。」

「それやったらなぁ、えーっと、ちょっと待ってて」

車から降り、奥の院までの道を地べたに描き始めました。

その様子がこれ。映ってるのはその女性。
しかも筆記用具は車のキーの先。

変形してしもうたらどうしようか。

書き始めて数十秒。

「いや、わぁしが案内するわい、車で後からついてきんさい、わぁしも最近行ってないけぇ、行ってみようわい」

「え゛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

なんという展開!!


なんということか。あぁ。うちらのためにここまで頑張って下さるなんて。

あぁ、頭の下がる思い。

程なくして女性の運転する車(ア○ト)は神社の鳥居を潜り、出発。

でもすぐに、神社近くの道の前で停車。

その近くで停車していたら、車から降り、こっちに向かって言う。

「うちの伊予柑持ってくるけん、ちょっとまっとき」

なるほど、家の前に止まって、自分の家から伊予柑を持って来・・・

おいおいおいおいおいおいおいおい!!

まさかここで「お接待」????

そんなサプライズ、期待してないんですけど、わしら・・・。

2-3分後、スーパーの買い物袋いっぱいに詰まった伊予柑を差し出す女性。

おそらく、自分の畑で収穫されたものだろう。

こちらも慌てるそぶりを見せないように、さりげなく(颯爽と、スマートな振りで)停車中に待っている間に慌てて用意した納め札をお渡しし、「できるお遍路さん」をアピールしようとしたら、その女性から、

「お礼(れい)で納め札もろぉても、それをお寺さん(=札所)へ納めに行かんといけんじゃろぉ、うちらぁお寺さんへお参りすることはありゃあせんけぇ、納め札もろぉてもどうしようもできんのんじゃあ」
とのご返答、これもスマート。いや、こっちのほうがスマート。

八幡神社から車で3-4分。細い路地を抜け、小高い所に建つ奥の院に到着。女性いわく、奥の院を訪れる人は本当に少ないらしいです。
確かに、ローソクもあまり立ってませんでした。

奥の院の近くまで車で来れます。奥の院の近くにも空き地があり、駐車もできますが、車幅のある車はやめたほうがいいでしょう。たとえばRV車とか、札所でよく見かけるプ○ウスとか。私の車(シエンタ)でギリギリでした。

こんな道です。車幅ギリギリ。

先ほどの女性のガイドで、奥の院まで案内を。

お堂に着くと、閉めてあった扉を自力で「ガラガラー」。開けてお堂の中も見せてくださいました。

よく見ると、この奥の院、鍵がかかってるようで、実はかかってない建物。

何でも、奥の院の近くに住んでいる、この女性の姉妹の方がほぼ毎日、お堂の掃除をしてくださってるんだとか。
で、この奥の院は「通夜堂」にもなるんだそうです。知らんかった(当たり前だって)。

この後、私達のお勤め(開経愒~回向文)の間も、ずっと手を合わせ、ご本尊様に向かってじっと目を据えてらっしゃいました。

私達のお勤めが終了したら、何事も無かったように、「ガラガラー」とお堂の扉を閉めて、鍵もかけず(っていうか鍵が無い)、車まで戻る。

円明寺までの道を教えていた戴いた後、先に車で発ち、私達とはお別れ。

・・・しばし考えた。

人のために、慈善の心を持てるだろうか。

それも見返りを求めずに。


うまく言葉で伝えることができないのがなんとも歯痒い。
でもこれが「お接待」なんだろうなぁ。






*でも、納め札渡しの仕事は、同性で、気心がお互い知れるであろう、かみさんの義母さまにお願いしたのが事実です。情けな。