病室で1人。
入院していたあの頃と同じだ。
あの時と違うのは、真田が来てくれないこと。
「…真田」
「呼んだか?」
急に聞こえた声に驚き、声の聞こえた方を見る。
「さ…なだ」
泣きそうな震えた掠れた声で愛しい彼の名を呼ぶ。来てくれただけで嬉しかった。名を呼んだら返事を返してくれた。嬉しい。
急に泣き出した俺に真田は小さな声で
「すまん」
と何度も呟いた。
真田があまりにも必死に謝るから面白くて吹き出した。
「人が謝っているのに笑うとは、たるんどる!」
「フフ…ごめん。あまりにも必死だから」
そう言った俺の顔を覗きながら真田が
「お前、寝ていないのではないのか?痩せ細っているし、クマもひどいぞ」
と言った。
確かに俺は真田と喧嘩をしてからほとんど寝てないし、食べてない。ダイエット作戦で食べなかったのもあるけど、食欲がなかったんだ。
まぁ、当初の目的も果たせたことだし、いいとするか…予想とは違ったけど…
「そう?最近、食欲がなくてさ…そのせいかも。確かに寝てないし」
「ああ。きちんと食べて寝ろ。王者立海の部長がこんなことでは困る」
「…ねぇ、真田にとって俺は何?」
「何とは…どういう意味だ?」
「真田にとって俺は立海の部長?それとも、一緒に戦ってきた友達?何なの?」
「俺にとって幸村は―」
真田にとって俺はきっと王者立海の部長で一緒に戦ってきた友達で…だから、俺みたいにぐるぐる考えたりしないんだ。
「大切な恋人だ」
え?今、何て?恋人?俺と真田が?真田が俺のことを恋人?…嬉しい。素直にそう思った。
「本当に?」
「ああ。嘘をついてどうする」
「確かに」
真田が真っ赤になってるのが可愛くてしょうがなかった。
「幸村…柳から聞いたぞ。ダイエットをしていたそうだな。それで入院とは…どういうことだ?」
柳…言ったのか。後で覚えてろよ。
「だって真田が太ったとか言うから」
「だから、それについては言った覚えがないと言っているだろう」
「でも…待てよ」
真田が太ったかと俺に言った。だが、真田に記憶がない。ということは…
「仁王か!仁王にペテンにかけられたんだ」
「どうしたのだ?幸村?」
「フフフ…仁王。覚えてろよ。あと、柳もな」
無事?一件落着したのだった。
(プピーナ)
(嫌なことが起こる確率100%)
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ありがとうございました