㊱静岡・丸子宿 | massykun-hitoyasumiのブログ

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我が「旅行記」

【丸子宿のとろろ汁】…『食 旅』

・・・(前略)・・・私たちは奥座敷といっても奈良漬色の畳にがたがた障子の嵌っている部屋で永い間とろろ汁が出来るのを待たされた。少し細めに開けた障子の隙間から畑を越して平凡な裏山が覗かれる。・・・(中略)・・・午前の陽は流石に眩しく美しかった。老婢が「とろろ汁出来ました」と運んできた。別に変わった作り方でもなかったが、炊き立ての麦飯が香ばしい湯気に神仙の土のような匂いのする自然薯は落ち付いたおいしさがあった。私は香りを消さぬように薬味の青海苔を撒(ふ)らずに椀を重ねた。・・・後略・・・

これは大阪万博開催時建造された[太陽の塔]の制作者、芸術家岡本太郎氏のご母堂・「岡本 かの子(大正末期から昭和にかけての小説家・歌人)」の著書[東海道五十三次]の一節です。今でもこの地で当時の「とろろ汁」が食べられるとのことで平成30年3月24日10:30静岡駅に立った。

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【静岡駅】…天気は最高、さくらの花もすぐそこまで…(3日後に東京では開花宣言!)

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【江戸時代の丸子宿】の概況です。

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【丁子屋】・・・茅葺屋根が江戸時代にタイムスリップ!

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【駐車場から玄関まで】・・・木洩れ陽にも暖かさを感じる3月下旬でした。

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【十返舎一九の石碑】

十返舎一九は「東海道中膝栗毛」のなかで弥次さん、喜多さんが「名物 とろろ屋」に入ったところ、店の夫婦が口げんかをしてこぼした[とろろ]で滑って転んでしまった様子をおもしろおかしく「けんくは(けんか)する 夫婦は口をとがらせて 鳶(とんび) とろろに すべりこそすれ」と読んだとのことです。

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【店内案内】…通されたのは「広重の間」でした。壁には安藤広重の浮世絵「東海道五十三次」が飾られています。

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【広重の間】

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【丸子宿】

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左から「42 宮の宿」・「41 鳴海宿」・「40 池鯉鮒(知立)」・「39 岡崎」

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【鳴海の宿】・・・冒頭「岡本 かの子」の[東海道五十三次]にもすこし触れていますが…。

 

【One Point UNTIKU】

手前の女性は「笠」を上げて今で言う「ウインド・ショッピング、店の品物を見ている様子のようです。また、店の中央の[のれん]に染められたマークは広重のロゴマーク「ヒロ」とか・・・。広重の遊び心のあらわれだそうです。

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【とろろ汁定食】…むぎ飯・とろろ・つけもの・薬味・吸い物

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【地ビールととろろ揚げ】…揚げ物三種(のり・ちりめん・しいたけ)

美味★・美味★・美味★ 星三つでした。

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外気温20℃暖かい最高の「食 旅」でした。私は長い冬眠生活から抜け出した「熊」かって感じです。帰りには観光案内所で紹介された静岡県庁・別館の21階に寄ってみました。休日ですが観光客のために開放しています。富士ビューポイントからの富士山はさすがに日本の誇る富士の山でした。遠く雪を頂に冠った南アルプスの山々。360°見渡せる静岡市内。眼下には修復中の駿府城(公園)。駅から徒歩10分です。ごゆっくりどうぞってガードマンのおじさんが声をかけてくれました。

 

                                           

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                       2019/3/27