とってもお久しぶりです。


ミュージカルbareが終わって、しばらく経ちました。やっと燃え尽き症候群も落ち着き、
自分らしさを取り戻しています笑


少し、(多分長くなりますが、)bareについての感想を綴りたいとおもいます。


オフブロードウェイミュージカルbare。


同性愛や宗教観、高校生活の中で取り巻く人たちの様々な葛藤を描いた作品。


わたしが初めてこの作品を見たのが2014年の初演のとき。

当時は小さな劇場で、大きな引き枠(ステージの上に乗っている更に小さなステージみたいな木箱)がぐるぐる回って、展開と結末に圧倒されている間に幕が下りたイメージ。

いろいろな作品を見ていると、どんなだっけ?と忘れてしまう作品もある中、ずっと忘れることの出来なかった作品でした。
ヒロインのアイヴィという女の子に魅せられ、見終わったあとに、あの役やってみたい!と小声で周囲に言っていたら


本当に偶然の偶然で
再演の時のアイヴィ役のお話が。

ふたつ返事でやらせてください!!!ワクワクー!!!といった感じでしたが、
いざ中に入ってみると

31曲もある膨大な量の譜面と、難しい楽曲に悪戦苦闘。
心を折れることを許したらこのままではどうにかなってしまいそうかもしれない…とはじめて危機を感じたのを覚えています。
“必死”とはあぁいうこと…


周りは呼吸をするように歌う方たちばかり
気づかぬプレッシャーに押しつぶされそうになりながらのなんとか完走。。。といった具合でした。


思うようにできない自分が悔しくて、悔しくて、悔しくて

次あれば絶対!!!


ではなく、



これは私にはできない…。
そんなことを最後に、思い出に蓋をした4年前。


bare以来、私の中に何かが絡まったままでしたが、
時と共にそんな絡まった自分が当たり前に。
克服できぬまま時間だけが経って。


そんな時の


まさかのまたbareやります!!!と


うおおおーーーーーー!!!






是非是非、絶対!見に行きます!!!!って






だけど、ありがたいことにまたアイヴィでお話をいただき
その瞬間に

あのときの呼吸とか匂いとか照明とかスモークとか出来なかったこととか出来なかったこととか出来なかったこととか
たくさんの事がぐるーっと頭をまわって

私が出した答えは


私には出来ません…



役者として終わってる。
人として終わってる。なぁ。


今まで逃げたことなんてなかったのに、
何故かbareは私にはできないと思い込んでしまって(言い訳するとその時は本当になにをするにも気力がなかった)



挑戦する気持ちを忘れて、ただ自分にはできないと決めつけ、死んだような顔して生きていた
そんな数ヶ月前の自分にビンタです。

往復ビンタ。



マネージャーさんから


え?なんで?この作品好きなんでしょ?を連発され

なんでも。と膨れっ面して頑なに動かなかったわたし。

だけど…



かくかくしかじかあり(急に雑)

いや、いろんな人が説得してくれて

やらせていただくことに。


震えが…笑


最初は当時出来なかったトラウマが顔面から喉元に張り付くように邪魔をして

あぁもう!!!!!な毎日。



だったけど…


顔合わせの時に、キャストの方が挨拶で
「稽古場ではたくさん失敗しようとおもいます」と。

あぁそうだよな、
カッコつけたりうまくやろうじゃなくて
やった事ないことにできるだけ挑戦しよう!って。

言葉ひとつで長らくの呪縛がとけました。単純。。。怖




そこからは前回よりも短い稽古日数のなか、自分にはなにが出来るのか…試行錯誤な毎日でした。

再再演ということは、同じことをまたやらせていただけるわけで
前回の記憶も残っているし、なにが出来て何が出来ないかも明確に見えてきて
稽古場に行くのが楽しくなっていって。

アイヴィってこんな子だったんだ。って、4年経ったからこそ分かることもたっくさん。
いろんな一面をいろんな角度から感じることが楽しかった。



この舞台はWキャスト(同じ役を2人で演じる)人たちもいたのですが…

アイヴィ役Wキャストの茜屋日海夏ちゃんにも何度も救われ。

彼女が凄くって
同じ役なのにこんなに違うし、アイヴィの見え方も物凄く立体的に見えて超超刺激をもらったんです。
初ミュージカルであのクオリティ、どうやったら出せるんだよぉ…凹むよぉ…笑

初っ端から意気投合して、稽古場でも、帰りもずーっとおしゃべり。
役のこととか見え方とか、たっくさんのことを共有して、アイヴィはひみたすと一緒に膨らませられた役でした。



演出の原田優一さんはお馴染みまして。
やっぱり一言一言がおもしろくって、かけていただく言葉はもちろん、他のキャストの方たちに言ってるアドバイスも超超為になる!

毎日勝手にワークショップ気分で
優一さんワールドに浸れることに幸せを感じていました。改めてすんごい方だなって。
大尊敬。一緒にお仕事できて幸せ。

千穐楽に、“増田アイヴィ完成したね”って言ってもらえた時、呼吸を忘れるくらい嬉しかった…。
思い出しても泣ける…。


そして、音楽監督の桑原まこさんに出会えたことが
わたしにとっては物凄い財産でした。
あんなに侍みたいにカッチョいい女性滅多に見ないよ!!!!!!
超プロフェッショナル。

その分キャストにも全力でぶつかって来てくださり。
“はい、出来てない。もう一回”って笑
容赦なさすぎてそれが気持ちいいし心地良くて、必死に食らいつきながら。
歌うことの素晴らしさを再認識させてもらえました。

見渡す限り刺激たっぷり。
稽古場がお砂場付きの遊具みたいで、毎日泥んこになるような日々でした。

そんな刺激的な日々を積み重ねながら
無事本番を迎えられ、いま完走できたことが
わたしには物凄く奇跡のように感じます。


もっと作品を愛せたし、もっとアイヴィを知れたし、何よりも毎公演ステージに立つ喜びを噛みしめながら、全力で生きられたと思います。

カーテンコールで泣くって、今まではあんまり気持ちが分からなかったんだけど
今回はグッときちゃって。
そんな自分にも驚いたし、心が前よりも豊かになっているのを感じて、演劇って、歌って凄いなと感じました。


本当に挑戦してよかったなと、やらせていただける機会をいただけたこと、
感謝しています。

そして何より、客席でbareという作品を毎公演完成させてくださるお客様に感謝です。

草月ホールでハリケーンのように回る気迫をお客さまと共有できたとき
とっても不思議な気持ちになって、鳥肌が立ちました。

あの感覚、忘れたくないな。



今回、逃げちゃいけないことを身をもって学びました。逃げたくなったことこそ、向き合って挑戦することに意味があると感じました。

これからもそんな瞬間が多々あると思うと正直怖いけど。

絶対に、絶対に逃げずに挑戦したいと思います。




もっと強くなるぞーーーーー。
強靭なメンタルを作るぞーーーーー。



是非また舞台があれば、
見ていただきたいです。

恥ずかしいものをお見せしないように、日々精進します。


ありがとうございました!