ソクラテスの弁明 | おっさんブログ

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今日は、私の心に深く刻まれた「ソクラテスの弁明」の最後の場面についてお話ししたいと思います。ソクラテスが讒訴で被告として裁きの場に引き出され、人々の誤解を解くために孤軍奮闘して自らの哲学を語ったあの瞬間が、今でも鮮明に脳裏に甦ります。

しかし、彼の言葉に耳を傾けた人は多くありませんでした。そのため、下された判決は厳しいものでした。ソクラテスはその判決を受け容れ、以下の言葉で締めくくったのです。

「もう終わりにしましょう、時刻ですからね。もう行かねばならないのです。わたしはこれから死ぬために、諸君はこれから生きるために」

この言葉の最後、「諸君はこれから生きるために」というフレーズに託されたソクラテスの思いに、私は心打たれました。

人類の活動が肥大化し、生態系や気候にまで大きな影響を及ぼすようになった現代は、先の見えにくい時代です。私たちは、何が起こるか予測しがたい時代に生きています。

さまざまな問題が起こるたびに、私たちはどのように行動すればいいのか、いかに生きるべきなのかを自問せざるをえないでしょう。そのときにこの本を開いてください。倫理的に生きようとする先師の厳しい姿勢から、多くを学ぶことができるはずです。エッセイを通して先師が伝えようとしたのは、いかなる困難があっても揺らぐことのない倫理への強い意志だと思うのです。