問題は、世の父親(オヤジ)にある【後編・完結】 | 子ども達の未来に大人が残すモノ@奈良情熱学校+親子塾『創』とと校長

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誰もが本来持っている力を引き出せる環境を、子ども達の未来に残す! 『子ども教育』(自宅塾経営)+『子育て支援とあそび場学び場づくり』(NPO法人 奈良情熱学校の経営)+全世代への教育研修を実践する 教育コンサルタント 田中章友(とと)@奈良 の想い。

昨日投稿のブログ 

問題は、世の父親(オヤジ)にある【中編】」では、

 

父親(男性)の子育てにおける課題について掘り下げた。

本日は その最終話。 そして独白――。

 

 

 

一方で、

概して 女性(母親)は、男性(父親)に比べて 柔軟な方が多い。

もともとは上記男性のような価値観であったとしても、我が子をちゃんと見て、その個性を善悪なしに受け入れようとされる母親は、やはり、心がしなやかである。

 

 

結論から言うと、

 

我々男性が子育てにおいてできる もう一つの大切なことは、

そのしなやかだけれども日々子育てに不安を感じる 『母親の心を支える』ことであろう。 

 

 

 

ともすれば子どもの「良い時しか」関わらない我々男性にとっては、

子どもの最も近くにいる母親の心を安定させることが、やはり一番の子育てなのだと思う。

 

母親の心が安定していれば、問題は「問題」とはならない。

そういう例を、私はたくさん見てきた。

 

 

 

我が子が不登校になったり、発達障害のグレーゾーンだと思われるような場合など、

我が子と一体感を強く持つ母親にとっては特に、

それが一生涯の不幸への入口かのような錯覚にとらわれがちである。

 

お腹を痛めて産んで、これまでも今も常に我が子と密に接している母親からすれば、

「ごく普通に」ささいな幸せを感じられる人生であるようにと、

ただただ願うものだから、それは当然のことだろう。

 

 

しかし、

 

子どもに何があっても、周囲から何を言われても、

周囲へ愛を振りまいて 我が子を信じぬかれるお母さんがいらっしゃる。

 

 

逆に、支えとなるご主人がそばにいなくなった途端に、

一気に大きな不安に押しつぶされて鬱になり、

我が子を見守ることができなくなったお母さんも 私の身近にはいらっしゃる。

 

 

 

不登校でも発達障害でも、最終的には 「母親の心次第」。

 

 

 

母親が思い込んだ通りの人生を、その子は歩むことになる。

母親の思い描く世界・社会が、そのまま子どもから見える世界・社会になる。

母親がフォーカスする通りの見え方・捉え方を、周囲もまたするものである。

 

 

だって、すべての子どもは、

潜在的に母親に好かれたいと思って自分を形成していく生きものだから。

母親自身以上に、母親の内面を感じ取る才能を持っているのだから。

 

 

だからと言って、 『だから お母さん、しっかりしなさい!』

と私が言ってしまったら、

「あんたはお姑さんか!」という突っ込みがバズーカ砲で入ってくるに違いない(笑)

 

 

 

繰り返しになるが、

母親の心は、父親次第

 

 

 

つまり、

世の父親は、我が子や妻に 何か「問題」だと感じることがあれば、

それはつまり、あなた自身が「問題」であるのだと 気づくことだ。

 

 

「妻(母親)の心を支える」とは、

ベタベタと夫婦が仲良くしようということでは無い。

どちらかと言うと、私は 「夫婦も 心を自立させなさい」 という考えである。

 

 

男女の恋愛感情は、残念ながら例外なく冷めていくもの(笑)

では どうすれば良いのか?

 

 

そこから先に大切となるのは、

愛情では無く 相手に対する「尊敬心」である。

自分には無い 相手の能力や個性、

そして積み重ねた相手の日常習慣の軌跡に対する敬意である。

 

 

 

まずは、この暑い中で、

  一日中 乳幼児を抱っこしてみよう

  蒸し風呂のようなキッチンで 毎日朝・晩 料理を作ってみよう

  完全無休・無給で、定期評価や昇進もない仕事をイメージしよう

  あなたの仕事でのキャリアが10年間完全にストップすることを 想像してみよう

 

 

 

実は・・・

 

私は一度、脱サラして起業に失敗したことがある。

「なんとかなる!やりたいことをやる!」と自信満々で何の準備もせずに脱サラし、

そこから起業準備を始めたけれど、自分の浅はかさと楽観主義を悔やんだ経験がある。

 

それは大きな失敗で、お金が底をつきかけ、妻に働いてもらいながら私が主夫をした。

その後 本格的に起業するのをあきらめ、

二度と経験したくないとんでもないブラック企業での屈辱の1年間を過ごすことになる。

(2年目は会社員をしながら、起業準備とNPO法人設立へ向けて心を切り替えて全力で動いた)

 

 

 

だけど、その時に初めて気づいたことがたくさんあった。

 

その内の1つが、

妻のこれまでの日常への有難さと 後悔 だった。

 

 

暑い台所で、来る日も来る日も料理をする。自分が家族のために時間を削って作った料理が、

残されたり全く食べられないという経験を味わう。

頑張ったことや積みあがっていくモノに実感が沸かない虚無を感じる。

 

 

僕は はじめて、

上記に書いたような 主婦という仕事の凄まじさについて、知ることになる。

 

 

 

独身時代には、非常に独創的に稀有なコミュニケーション力でバリバリ仕事をしていた妻が、

主婦・子育てを引き受けてくれたお陰で、

私は仕事において実績を積み重ねてキャリアップしてこれた。

 

 

そんな あたりまえのコトが、見えなくなってしまうのが、人間。

 

 

 

このブログでは、ここまで独白する予定は全く無かった。

なんせ一話で終わる予定だったから(笑)

 

 

 

だけど、これを書きながら、

今の私は 本当にこれを書くだけの「在り方」を実践しているか?

と、自身に問いかけると、

 

 

子どもも一人暮らしをしている今、子育てをほぼ終えたとはいえ、

情けないことに 「妻の心へ寄り添う」という点に関しては、

やはり未だまだ全く足りていない。

 

 

 

今一度 心に留めるためにも、

自分の過去をしっかりと書き留める必要があると思い至った。

それ故に 長文となってしまったことをご容赦願いたい。

 

 

 

私の失敗談が、世の中のお父さんの参考になれば幸いである。

 

 

 

相手の立場や感情は、

その立場にならないと分からないこともある。

 

 

 

失わないと分からないこともあるのが 人生。

 

 

 

だったら、我が子に関しても、

今は失った(欠けた)ように感じるコトでも、 

それが人生において必要だから そう あるのかもしれない。

 

 

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以上、3話にもわたる長文にお付き合いいただき、ありがとうございます。

きっとここまで読み進めていただいた 素直で熱心なあなたなら、

すでに素敵なご家庭だとお察しいたします。

 

 

このあたりまえのコトが広がって、

さらに素敵な家庭が増え、誇れる社会となることを信じています。

 

 

 

『創』教育コンサルタント 親子と未来を創る塾『創』  代表

特定非営利活動法人 奈良情熱学校  理事長 兼 校長

 

田中 章友