二宮さよ子 ひとり芝居
『明治一代女』
@日本橋劇場(日本橋公会堂)


『明治一代女』は明治20年に実際にあった、
浜町河岸の箱屋(芸者の三味線箱を持って随行する男衆)
殺しを劇化したものですが、昭和10年の初演だけに、
登場人物の性格や心理が現代劇的に描かれています。

柳橋芸者のお梅は旦那も持たず
芸だけで母と弟を養っていました。

沢村仙枝は門閥が物をいう歌舞伎の世界で
下まわりからの努力と才能を認められ、
亡き師匠の名跡を襲名することになります。

仙枝と互いに愛し合うお梅が、
襲名披露のための金が必要になった時、
それを用立てようと申し出たのは箱屋の巳之吉でした。

元は大百姓の倅の巳之吉は、日頃からお梅が好きで
親が残してくれた田畑を売り払っても、
それでお梅と夫婦になれるのならと
一方的に思い込んでいたのです。

追い詰められたお梅は
過って巳之吉を手にかけてしまいます。

襲名の初日まで二十日、
お梅の選んだ道は…

六年前に二宮さよ子が初演した
『ひとり芝居・明治一代女』を
御当地ともいうべき日本橋劇場で再演いたします。

日本時代劇研究所 滝先生が殺陣師の本公演。
先輩方と拝見致しました。

二宮さよ子さんの魂のひとり芝居です。 

素晴らしかった…

今回の二宮さんの公演を機に、
名演といわれる『明治一代女』を観てから
観劇させて頂きました。

所作やお芝居、
勉強になることばかり。

鳥肌が立つほどに
主人公の気持ちが伝わってきた。。。

特に、巳之吉を刺した後。
早鐘が打つところ。

一瞬、無音になる演出が
凄く良かった。。。

あれは他にない演出。

辺りは雪で真っ白だし、
寒さと怖ろしさで感覚が麻痺してて、
頭も真っ白に…

っていう心情と状況が、
敢えての無音で表現されていました。

その時の二宮さんの表情が、
美しくてね。。。


そして、最期のシーンも。

楽屋にもご挨拶させて頂きましたが、
また近々、二宮さんとお話させて頂く機会を
頂きましたので、その時にお話できたら幸せ。。。

本当に素敵でした。


来年の『絵島』も観たい。



*+*・:.丸山小百合.:・*+*