「AIに仕事を奪われる人とAI時代を生き延びる人の違い」についての常識がちょっとおかしい | 研修医ノート

「AIに仕事を奪われる人とAI時代を生き延びる人の違い」についての常識がちょっとおかしい

「AIに仕事を奪われる人とAI時代を生き延びる人の違い」についての現在の常識↓。

「AI時代には AIを使える人とAI使えない人に二極化して、AI使える人がAI使えない人の仕事を奪って駆逐する」というのが今の常識です。

 

↑これ、ものすごく頭のいい人の主張ですが、僕はおかしいと思う。

 

↑この常識はおそらくAIがむちゃくちゃ発展した近未来でも実現しないおかしい話だと思う。

 

以下に理由書きます。

 

まず、↓これを見てくれ。

これは、chatGPTに

「以下のようなあらすじの星新一のショートショート作品のタイトルを教えてください。

『仲の良い資産家の老夫婦がいたが

ある時妻が死んでしまって

夫が精神的におかしくなってきた。

資産におかしなことをするのではないかと

心配した親族の依頼で妻そっくりの

ロボットを作って夫のそばに置いたところ、

夫の精神は安定した。

その後、夫が死に、今度は妻のロボットの

調子がおかしくなってきた。

親族としてはロボットであっても妻そっくりの人が

おかしくなるのは見るに耐えないということで

今度は夫そっくりのロボットを作って

妻のロボットのそばに置いたところ、

妻のロボットは安定した。

二人のロボットは家で静かに過ごしているだけで

ずっと安定していたが、ずっと家においておくわけにも

いかないので、部屋を模したロケットに入れて

二人一緒に宇宙に飛ばした。』」

と質問した時の、chatGPTの回答です。

 

星新一のショーショートに『どこへ』というタイトルの作品は無いと思いますので、↑このchatGPTの回答はAIによくあるウソ(ハルシネーション)です。

 

「AIはしばしば平気でウソをつくからAI使える人がAI使えない人を駆逐するという常識が間違いなのか? しかし、そんなハルシネーションは近未来にAIが進化したらほとんど起こらなくなるんじゃねえの? そうなったら、やっぱりAI使える人がAI使えない人を駆逐するだろう。」とあなたは思うでしょう。

 

それは非常に常識的な考え方ですが、残念ながら完全に間違いです。

 

ここで↓この出来立てホヤホヤ医学論文を見てくれ。

N Engl J Med . 2024 Apr 4;390(13):1196-1206.

この先月出来立てホヤホヤの超一流医学雑誌掲載の論文の趣旨は、「慢性腎臓病患者に対して、診療ガイドラインの順守を徹底化して標準治療をあまねく浸透させる診療ファシリテーターのある診療環境を提供すると、診療ファシリテーターがいる診療環境の方が救急外来受診、透析導入、急性腎障害のリスクがむしろ少し上昇した」というエビデンスです。

 

診療ガイドラインの順守を徹底化するという作業は機械的作業であり、本質的に全面的にAIに頼っている作業と同じことです。

 

でさ、なんで腎臓治療の診療ガイドラインを守る方が腎臓に有害だったっていうと、↓これなのよ。最新の慢性腎臓病診療ガイドライン解説論文↓。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/82/6/82_319/_pdf/-char/ja

最新の腎機能低下治療ガイドラインではSGLT2阻害薬やARBやACEやMRAの投与開始・投与継続を、メクラ

メッポウにやることが強く推奨されています。

 

多分、画面の前の全国の優秀なお医者さんたちもガイドラインやエビデンスを勉強しまくっていると思うで、↑この意見に賛成するんちゃうか?

 

はい、↑このガイドラインのミソとなる↑この強い推奨部分は、もうそれだけで腎機能低下患者の腎臓を悪くするリスクを上げるでしょうね。

 

日本人の透析導入原因のグラフ↓。

以前のブログ記事に解説しましたが、↑この原因第3位(腎硬化症)と第4位(原因不明)は実は同じもので、「腎毒性のある化学物質により腎機能低下した人たち」です。

 

なので、「腎毒性のある化学物質により腎機能低下する」という腎機能低下原因は、実は透析導入の3割近くを占める非常にありふれた事象になっています。

 

全国の優秀なお医者さんたちは、目が節穴のメクラ医者ばっかりなのでそれに全く気づいていないようですが。

 

で、上記の腎機能低下治療のガイドラインでメクラメッポウの処方が強く推奨されているSGLT2阻害薬やARBやACEやMRAって、「腎臓保護効果がある」ことが現在の医学常識だけどさ、実は↑これらの薬はみんな「低い確率ではあるが腎機能めっちゃ低下するリスクもある」薬ですよ。

 

そんなロシアンルーレットみたいな薬をメクラメッポウ強く推奨されるがままに処方しまくったらそりゃ平均とったら腎臓悪くなる人多くなるに決まってマンガな。

 

全国の優秀なお医者さんはそれに気づいてますか。

 

診療ガイドラインは一般的に、「医者が良い医療をいて患者が良い医療を受けられる目的で作られている」のっていうのは建前で、本音は「製薬会社に巨額投資している世界の上級市民たちが多数の患者の犠牲を払ってでも大儲けする目的で作られている」からな。

 

なので、診療ガイドラインを機械的にAI的に順守するのは悪でしか無いです。

 

そこんとこ全国の優秀なボケ医者どもはちゃんと理解しといてね。

 

↑このことは↓このへんの過去ブログ記事読んで復習しといてね。

 

話がちょっと AIから脱線しましたが、以上の理由により、AIが進化してハルシネーションをほとんど起こらなくできる能力を持つようになった近未来でも、AI使える人がAI使えない人を駆逐することにはならない理由です。

 

AIはハルシネーションをほとんど起こさなくできる能力を持ってからも、世界の上級市民の利益を最大化するためのおかしな情報をAI利用者に提供し続けますので。

 

なので、賢いあなたは↓この辺の過去ブログ記事読んでAI時代突入対策しといてね。

 

うわー昼休み終わるから、文章推敲する間もなくアップします。