chatGPTが専門性の高いホワイトカラー職種の人に与える超絶打撃の解説
やあ、全国の坊ちゃん医者・嬢ちゃん医者のヤブ医者諸君、元気にしてるかい? 今日はヤブ医者のキミらに有用な論文を紹介しよう。
Science . 2023 Jul 14;381(6654):187-192.
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「もともと高品質アウトプットの仕事をする能力の低い人ほどchatGPTを使うことによりアウトプットの質が上がり、chatGPTを使うとアウトプット能力の差が個々人のもともとの能力の差よりもかなり小さくなる」
↓こんな概念図になります(著作権の関係で上記論文のグラフを再現自作しました)。
↑「タスク1で基礎能力の差を確認。タスク1の質が低い参加者は、chatGPT非使用だと通常タスク2の質も低い。しかし、chatGPTを使用するとタスク2実施時の質の低さが目立たなくなる。」という意味のグラフ。
↑もともとの個々人のアウトプット能力の差が□、chatGPTを使用した後のアウトプット能力の差が▲です。ほとんど差がなくなっている。
↑この結果は、もともと能力高いホワイトカラー職の人にとっては驚異的な脅威です。
自分の高度専門性の仕事がchatGPT使用により誰でもできる仕事になりかねず、報酬の圧倒的な下げ圧力になりますので。
ただ、以前のブログにも書いた通り、現在のAIは「ウソを平気でつく」という欠点があり、おそらくしばらくその徴候は治らないので、そこは高能力の人間が補完する必要があります。
なので、かなり高能力の人は今から始まるAI革命を生き残れます。
↑この「かなり高能力の人」の高い能力とはもちろん「ウソを見抜く能力」のことであり、それはリテラシーと同義です。
コロナ初期のブログ過去記事にも書いた通り、エビデンスのウソを見抜く能力(リテラシー)の源はリベラルアーツです。
なので、全国の大学は昔みたいにそして東大みたいに1、2年生を教養学部にしてリベラルアーツを習得させた方がいいでしょうね。
AI革命後の世界で求められている専門性はリベラルアーツという非専門性であるという皮肉が現実化してしまいましたので。
あと、AIでしばらく代用できなさそうなのが、対人マネジメントがらみの職業です。実際に人と接するタイプの仕事ということです。
なので、全国の坊ちゃん医者・嬢ちゃん医者のヤブ医者諸君は自分の臨床能力の低さについてはまずchatGPTで補完するのが吉であるが、キミらの「今まで普通の人より勉強頑張って試験を乗り越えて来たからエラくて当たり前」という対人マネジメント能力低下の要因となっている因子についてはちょっと対策した方がいいだろうな。
幼少時の困窮とか虐待とかの試練に比べたらキミら坊ちゃん医者・嬢ちゃん医者が乗り越えて来た試練なんかハナクソみてえなもんだから、とてもじゃねえがエラそうにしていられるような代物じゃねえぞ。