レイプはたいていの場合、男性が女性に対して行うものである。
それは男性の方が力があり、より暴力的であることが前提となっている。
性的にすぐれているからでは決してないだろう。
実際に力が相手よりも強い場合もあるだろうが、
多くの場合は、この前提によりかかることでレイプが成立する。

だが、暴力のみによって完全に服従させることが
目的でもないだろう。
加える暴力によって相手が「抵抗」することもまた重要な要素である。
抵抗するところにわずかな「人間性」を感じるのが
レイプ常習者の抱く感情であろう。
自慰行為とレイプはちがう。
レイプには暴力を与えるべき相手が存在する。
自慰行為はどれだけ玩具を酷使しても、
玩具の破損という問題以外、トラブルは起こらない。
誰も玩具に対して暴力的にふるまっている、
とは考えないだろう。

他方、レイプは一方的な暴力行為であり、
そこに双方向的な快楽の往復はありえない。
また同様に、相手に与えるのと同じ強度の
暴力が自分に返ってくることはない。

玩具は乱暴に扱えば自慰行為は困難となるだろう。
だが、レイプの場合、乱暴に扱えば扱うほど、
レイプ実行者の快楽は高まるのである。
人間が玩具のように扱われている、という表現では
足りない問題がそこには存在している。
性行為が性的快楽を得るための行為であることは
いうまでもないだろう。
もちろん、そこには「生殖」としての繁殖行為も含まれてはいる。
だが、人間の場合、かりに生殖目的であっても、
そこには性的快楽が伴うはずだ。

人工授精には性的快楽が伴わない。
それは、人工授精が「性行為」ではないからだ。
また、レイプによる妊娠は快楽どころか苦痛しか伴わない。
つまり、生殖目的でレイプが行われた場合は、
それは「性行為」ではない、ということになる。

だが、一方だけが快楽を得て、他方が快楽を得ない関係が
「性行為」と呼べないのであれば、
手や玩具を用いた自慰行為は「性行為」ではない、ということになる。