都市が活性化し、見渡す限り建物と車がありふれ人々が未来に生きる時代、その中で「今」を生きようと都内で今日もゴミをあさる一匹のカラスがいた。

 

ある日、カラスがいつも通り食べ物を求め飲食店の裏にあるゴミ捨て場のゴミを漁っていると

その飲食店の裏玄関から店員が出てきて、ゴミを漁っているカラスに気づく。

店員は近場にあった石ころを静かに手に取りカラスに向かって思いっきり投げつける。

 

あまりにも静かでその状況に気づくのが遅れたカラスは運悪く 店員の攻撃を受け「ガァッ!!」という叫びとともに左翼に傷を受け流血してしまう。

 

カラスにとって投石されることは初めてではなく、流血することも珍しくはない。しかし、今回は運が悪く左翼にあたってしまい 上手く飛んで逃げることができない。

 

そのことに気づいたカラスは パニック状態になり 必死で動く右翼を動かしながら狭い路地の奥へ奥へと入っていく。

「「捕まったら殺される!! 死にたくないッ!!」」 そう思っていたカラスは周りの景色を無視し

ただひたすら前だけを見て 走り続けた。

 

すると 目の前に苔の生えた古びたレンガ造りのトンネルのようなものが現れた。

都会の狭い路地の奥にあるはずのない どこか異質を放ったようなトンネルだ。

 

しかし、カラスはパニック状態なためそのトンネルの全貌を見る間もなくただ真っすぐトンネルの中に入り込んだ。

 

トンネルの中は真っ暗で、夜目があるカラスでさえも周りは見えなかったがトンネルの出口だけはしっかり見えていた。トンネルの中を走っている最中カラスは体に違和感を感じたが、それを気にとめてる場合ではなかったのでトンネルの出口まで必死に走った。

 

流血のせいか次第に意識が朦朧としてカラスは目が霞んでいた。

 

トンネルを抜けるとそこは 草木が生い茂った森の中だった。

カラスは目が霞んでいたため よくは見えなかったが 青々しい匂いと周りが緑色という情報だけでここが森の中という事が分かった。それと同時にカラスはその場にドサッと倒れた。

 

目の前が暗くなり 体も動かすことができない…聴力だけがわずかに残っていた。

カラスも流石に「もうダメかもしれない」と思った。

 

すると ガサガサッ と近くの茂みから足音が聞こえた。

??「あんれぇ?こんなとこで おめぇさんなーに倒れてるん? しっかりせぇ」

 

誰かの声が聞こえた