バベルの塔は崩れない | 団塊Jrのプロレスファン列伝

バベルの塔は崩れない

どうも!!流星仮面二世です!!

さて、12月1日、幼馴染みの流星仮面2号のご好意で、2号のプロレス仲間との忘年会兼お食事会に参加させていただきました。今回はその模様をお送りいたします。

ということで当日、2号宅に集合です。着くと、さっそくのお出迎えは小学3年生にして昭和のプロレスを熟知する、動く金剛力士、甦ったディオスクロイとも言われるご存知、M・Tマシーンズです。


挨拶もそこそこに、マシーンズが昭和のプロレスを話しながらさっそく取り出したのは、なんとプロレススーパースター列伝の単行本です。これは再販の文庫本サイズなんですが、幻のカール・ゴッチ編が収録されているという優れものです。今からM・Tマシーンズ、このスーパースター列伝でクイズ合戦やろうじゃないかと。おお~それは楽しみだ。おじちゃんは少年サンデーでリアルタイムで読んでいて、当時モノの単行本を今でも持っているんだよ~。はたして勝てるかな~?

「ブラック・タイガーの正体は?」

や・・・やつの正体は、ほぼ、まちがいなくマーク・ロッカ!恐怖のイナヅマ男でなくては、あのプランチャーはかわせん・・・

「指を第一関節から曲げることのできるレスラーは?」

自慢ではないが・・・日本人レスラーでもこれのできるのはカブキ、タイガーマスク、わたしの3人のみ!アントニオ猪木(談)

「じゃあ猪木がハワイに行ったとき豊登が予約しておいたホテルの名前は?」

パコダ・ホテル?ハテ、力道山先生時代から日本のレスラーがハワイへくると泊まる、いつものホテルとちがうな?

というかマシーンズ、ふたりそろって代わる代わる次々と、なんというレベルだッ!!まさに地獄のバケツリレーか、はたまた顔面ゲシュタルト崩壊か!!

その他にも、このマニアックにしてハイレベルのスーパースター列伝クイズの出題は続きましたが、よーし。これだけの知識があるなら今度はおれからスーパースター列伝クイズを出そうじゃないか。

じゃあまず~リック・フレアーがヒザにサポーターした理由は?なんてのはどうだ?

「足を長く見せるため」

うぬぅアッサリと・・・じゃあカブキの毒霧の成分は?

「13種の毒草、毒キノコ」

ガッデーム・・・じ、じゃあブッチャーの空手の師匠は

「ガマ・オテナ!!」

ですが、ではガマ・オテナの一番弟子のカブキの師匠の名前はなぁーに!?

「う~ん、うーん・・・」

ふっふっふ、これはさすがに・・・

「ウォン・チュン・キム!?」

わ、わかんのか・・・

しかしマシーンズの恐怖はこれだけでは終わりませんでした。プロレススーパースター列伝が落ち着くと、おもむろに取り出した本はプロレスではなくカンフー映画大全集。そしてジャッキーチェンの大福星やポリスストーリー2 九龍の眼の特集本です。こ、これは・・・!?

「いやぁ~最近はカンフー映画にはまっててね~。ジャッキーチェンとか好きなんだよ。昭和が止まらなくて・・・」

と2号。な、なんという・・・

ここを長く読んでいる方ならボクにとっての神様がブルース・リーであることはご承知かと思います(ブログ開始した日もブルース・リーの誕生日ですしね)

そんな流れで・・・自分で言うのもなんですが、ブルース・リーを長く追いかけるあまり身に付いたボクのカンフー映画に関する知識はかなりのものなんです。そんな気持ちもあったので「マシーンズ、カンフー映画好きなのか~。でもまだ酔拳や蛇拳あたりを見て好きっていうくらいだろうな。どれ、おじさんがお話聞いてあげようかね~」と話し出すと・・・

「ゴールデンハーベストのカンフー映画はロー・ウェイ監督じゃなくて、レイモンド・チョウ体制の方がね・・・」

「ジミー・ウォングの片腕ドラゴンはね・・・」

「新死亡遊戯7人のカンフーは実は死亡遊戯より公開が早くて・・・」

「ブルース・リャンはね、倉田保昭とね・・・」

「ユン・ワーはサイクロンZでね・・・」

「ハンサムはチャールズ・チンだよ。今、言ってるのはリチャード・ンの方で念力・・・」

お、おいおいおい!!

ドラゴン怒りの鉄拳でブルース・リーとノラ・ミャオがキスシーンしてるとき監督のくせにドッグレースの中継を聞いてた、いい加減で有名なロー・ウェイに、なぜか片腕役が得意で本当に黒社会の人間だったっていうジミー・ウォングに、本家の死亡遊戯ではブルース・リーの代役は断ったホー・チョンドーが出演して、びっくり人間みたいなのと次々戦った新死亡遊戯7人のカンフーに、帰ってきたドラゴンや無敵のゴッドファーザー・ドラゴン世界を征くで追いかけ合いながら倉田保昭と戦ったブルース・リャンに、燃えよドラゴンでブルース・リーの代役でボブ・ウォールにバク転蹴りしてる人だけど実はシー・キエン(ミスター・ハンね)が投げたリンゴにベティ・チュンがフッてナイフ飛ばして、刺さったそれもキャッチしてるユン・ワーか!!

そしてトドメが、リチャード・ン!!

おれ!?

そういうレベルなのか!?うぬぬ・・・ぬぅ~!!

プロレスとちがいマニア人口が少ないこのジャンルでは、ボクはこれまでリミッター解除して話せたことがありませんでした。しかし今日、リミッターどころか本気を出さないと渡り合えない事態になるとは・・・まさに恐るべしはマシーンズ!!

でも、こうして話せる相手ができたのはうれしいですなぁ。お父さんお母さん、お子さんたち、いい子に育ってますね~♪昭和プロレス、カンフー映画。ね~。ん!?プロレス、カンフー・・・!?あれこれもしかして、流れ的に次は極真か・・・!?

まあ、こうしてプロレス、カンフー映画の話をしながら車、電車を乗り継ぎ待ち合わせ場所に到着です。本日会場となるのは東京、北千住にある居酒屋と焼肉の甘太郎というお店。東京なんですが、室内かすごい広くて大所帯でもゆっくりできそうなところです。

そんな会場に今日いらっしゃる2号のプロレス仲間は、元々は2号のお仕事上でのお付き合いのある間柄の方々だったそうですが、ふとしたことからお互いをプロレスファンと知り、以来2号とプロレス観戦に行ったり、こうして集まり交流するようになった方々なんですね。プロレスに関しては、もちろんハイレベル。ボクもかつてお世話になったみなさんです。ご紹介します。

まずボクが開運!なんでも鑑定団に出演したとき応援に来てくれた、当時流星仮面1号の名で紹介しました藤波の大ファンのMさんです。現在はボディビルダーとして広く活動しているというMさん。その様から、ひとり筋肉放浪記、筋肉の木下大サーカスと言われてやみませんが、あの87年11月19日、後楽園ホールでの前田の長州顔面蹴撃事件や89年10月13日、後楽園ホールで暴動寸前となった橋本、斎藤vs長州、蝶野戦など数々の歴史的現場に居合わせた生き証人にして、必須るは2004年3月14日、スティーブ・ウィリアムスvsアレクセイ・イグナショフ戦。そのプロレスの惨敗模様に「あれはストップが早すぎる。レフリーがジョー樋口ならウィリアムスが勝っていた」とGKに直訴したという武勇伝を持つアツきプロレスファンです。今回は奥様もご一緒します。

そして、同じく開運!なんでも鑑定団のとき応援に来てくれた、当時流星仮面3号の名でご紹介したSさんです。プロレスファンなら必ず通る道なのが過去の試合の視聴ですが、その中にあって我々が最もお世話になったビデオこそビデオ・パック・ニッポンではなかったでしょうか?実はSさんは、そのビデオ・パック・ニッポンで、かつてプロレスのビデオを制作していたという、いわば我々ファンにとっては神様的存在な人なんです。現在でもBS、CSのプロレス放送のチェックを外さないのはもちろん、当時モノを含め2000強のプロレス映像を所有するという、まさに映像という名のマゼラン星雲をプロレスというハッブル宇宙望遠鏡で観測するといった佇まいの方なんです。

続いては初対面となりますGさんです。Gさんは書籍の企画編集、チラシやパンフレットの制作などを行う出版社の女社長さんにして、自らも編集、ライター業を行うというすごい方です。その手腕から、編集業界のマクドナルド兄弟、ひとりマイクロソフト社の異名を取りますが、プロレスに関してはこれまたすごいファン歴で、あの77年12月15日に蔵前国技館で行われた世界オープン・タッグ選手権の最終戦、歴史的名勝負となったザ・ファンクスvs ブッチャー、シークを見てドリー・ファンク・ジュニアの大ファンになり、以来ドリーの追っかけをしていたという純度100パーセントのザ・グレート・テキサンなのであります。現在、会場には多くの女性プロレスファンが見え、それこそ会場、ネット上とレスラーを追いかけるシーンが当たり前になったのはみなさんご承知のところだと思いますが、ファンクスはそういった女性ファンがプロレス界に現れた、いわゆる発祥となったところです。Gさんはまさに女性プロレスファンの"祖"とも言うべき方なんですね。

ここに幼馴染みの流星仮面2号、M・Tマシーンズ、そして今回は2号の奥様でM・Tマシーンズのお母さんのYさんも加わり、忘年会兼お食事会、開始です。

まずはMさんとSさんとは、ボクとはなんでも鑑定団のときは・・・というご挨拶からお互い始まりました。Mさんとは2015年の1.4の東京ドームでお会いしたのですが、そのときはほどんど話せなかったので、おふたりとは2014年3月の鑑定団以来の顔合わせという形になりました。



あのときはみんなでマスクド・スーパースターのマスク被ってプロレスファンのノリを発揮したら制作側に注意されたり、いいとこカットされたりしちゃったんですよね~と盛り上がります。気さくに話してますがMさんとSさん、そして幼馴染の2号はプロレスファンとしてのレベルはもちろんすごいんですが、その職種、経歴もすごかったので、あのときは大勢の援軍が後ろにいてくれているような、そんな気分だったなぁ~と話しながら思いに浸っていると、あのときの鑑定団、見ていました~とGさんがお話かけてくれました。

そう、Gさん・・・実はこの日、最も気になる存在の方でありました。というのも昔から、ボクにはファンクスのリアルタイムの女性ファンに会ったら、どうしても聞きたいことがあったからです。初対面のファーストコンタクトにも関わらず、その衝動が抑えきれず・・・我慢できず、いきなり聞いてしまいました。

「あの~・・・やっぱり入場ではスピニング・トーホールドでチア・ガール隊の踊り、やったんですか?」

あはは~と笑ったあと、Gさんは私はやりませんでしたよ~と笑顔で返してくれました。しかし、当時あのテリー人気絶頂の中、なぜGさんはドリーに行ったんですか?と続けて問うと、みんなテリーに走ったが、自分はあの渋みというか味わいに惹かれドリーだったと教えてくれました。ファン全盛期にはドリーが宿泊しているホテルに行き、同じエレベーターに乗り「ここにさっきまでドリーが乗っていたのね~」と歓喜を上げたりしていたという思い出話もしてくれました。アツい!!こういう話、大好きなんですよ。いいですね~。倉持アナ風に言えば、ドリーのがんばり、ドリーのがんばり、もう涙が出ます!!状態です。ということで独断小僧さん直伝のドリーのコールのときのモノマネをお礼に披露しておきましたよ~。

その後、2号が前もってMさん、Sさんに話してたあの話題にテーマが移りました。そう、ボクとレガさんが調査している新日本プロレスのザ・スコアーオープニングの話です。





まずUWFの会場使用の方ですが、Mさんは89年の1月の武道館から、UWFをほぼ毎大会、観戦していたということで期待が高まりましたが、残念ながら音楽的な記憶が定かでなく、これは謎となりました。しかし当時UWFの興行にはハウンドドックの関係者も多く関わっており、その中に知り合いがいるらしいMさんは、そのルートで調べられれば・・・ということでした。いやぁ~期待度が高まりますな~。

そして新日本のオープニングにザ・スコアーが使われた時期ですが・・・レガさんが突き止める寸前まで迫りながら、映像再生不能により無念の中で弾き出された「89年2月末から4月29日」という期間でしたが、ここでSさん

「(その期間のワールドプロレスリングを録画さしたものなら)あるはずだなぁ」

あ、あるのかぁー!!これはすごい!!

ということで現在、調査中です。ザ・スコアーの謎、判明の日は近そうです!!

このあとSさんのオフレコのビデオ・パック・ニッポン裏話を軸にプロレス談義は進みます。あまり内容は言えませんが、たとえばどのビデオが売れたとか、どんな風にシリーズができたかとか、団体と制作側とのマル秘話など・・・聞けばきくほど、おれらが見てたプロレスビデオには、そんな歴史があったのか~と唸るばかりのお話でした。

こうして話もひと区切り。お腹もほどよくいっぱいになると、鳴りを潜めていたマシーンズが満を持して登場です。このお食事会では毎回、マシーンズがプロレスのクイズを出し、みんなで答えるのが恒例行事なんだそうな・・・これはおもしろそうだ。よーぉし。今日はおれも参戦するぜ~。

M.Tマシーンズ・クイズ。覚えているのを書いていってみます。答えは書きませんので、みなさんもやってみてくださいね。さぁ何問、答えられるかな~?

「グレート東郷がプロレスに残した言葉(名セリフ)は?」

簡単なのから・・・って出してきましたが、さっそくなかなかのレベルじゃないすか?

「ルー・テーズ、カール・ゴッチの本名は?」

うむ~、これはハイレベルだ。テーズは答えられなかった~。

「日本人レスラーでベニー・ユキーデの弟子だったことのあるレスラーは?」

答えよりも、この年齢でベニー・ユキーデを知ってるのがすごいと思いました。

「ザ・バンビートの正体は?」

このマスク、かっこよかったね~。ちなみに現場では、知っていたのにド忘れしてしまったSさんが大苦戦でした。

「ザ・コブラの使ったスープレックスは?」

タイガー・スープレックス・ホールドの別の呼び名です。今はこの名称、言わなくなっちゃいましたね。

「プロレススーパースター列伝のマスカラス編で、マスカラスが覆面剥ぎマッチで倒したマスクマン、ミスターMの正体は?」

これは列伝本編でも名前こそ出れど顔が描かれていないという難問です。一度だけこのブログでもそのコマを出したことあります。わかるかな~?

「古舘さんがテレ朝を退社しフリーになったことを伝える当時の週刊プロレスの記事中で、古舘さんは猪木さんに何をしていた?」

ピンポイントすぎる問題ですが、なんとなく想像もつくと思います。ヒントは技です。でも珍しいといえば珍しいシーンです。

「力道山のデビュー戦の相手は?」

ボビー・ブランズではなく、海外のデビュー戦の相手だそうです。マシーンズ、やるね~。

「力道山が一番好きだった食べ物は?」

答えはシンプルですが、あまり知られていないので難しいですね。ちなみにタピオカではありません。

「ミスターXの正体は?」

と、言われてもミスターXは何人かいるんだよなぁ・・・と、みんなで同じリアクション。とりあえず一番有名な方を答えれば正解です。

ここまでは大人たちも総力結集。誰かは答えられていましたが、この日、とうとう誰ひとり答えられなかった問題がありました。それがこれです。

「ジャイアント馬場が生涯ただ一度だけ行った金網デスマッチはジョン・トロスと組んだタッグででしたが、その対戦相手はマサ斎藤と、誰?」

どうですか~。みなさんは何問わかりましたか?それにしても、再三再四言っていますが、問題を出しているのは小学3年生ですよ。つくづく、すごいことですね。

こうして楽しいひとときもあっという間に終り、時間となりました。短い時間でしたが、心から楽しめました。2号、誘ってくれてありがとう。今回また、みんなでゆっくり会いしましょう!!

それにしても・・・最年少から最年長まで、50歳以上の年齢差があった今回の集まりだったけど、そこをまったく感じることなく自然に話せたのは、やっぱりすごいことだと改めて思いました。

プロレスファンにおいて"プロレス"というジャンルは、ひとつしかありません。しかし、それは戦前だったり昭和だったり平成だったり・・・そう、日本のが好きな人もいれば、アメリカ、メキシコなど海外のが得意な人もいます。女子プロレス通もいるし、メジャー好き、インディ好きもいるし、団体を問わずひとりのレスラーを追いかける人もいます。技術系、格闘技系、エンターテイメント系、テーマ曲、マスク、本や映像・・・いろんなファンがいます。ひとつの世界なのに、いろんな世界が存在する、ひとりひとりがそれぞれの"世界"を持っている類稀なる世界なんです。

ノアの洪水の後、すべて同じ言葉を話していた人間。技術を進歩させていった人間は石をレンガへ、漆喰をアスファルトへと変えていった。傲慢になっていった人間は、やがて天まで届くような塔のある町を建てようとした。それを見た神は心配し、怒り、人間の言葉を混乱させ、通じなくなることでその手を止めさせた・・・旧約聖書の創世記に出てきたバベルの塔は、気持ちが高ぶり、侮り見下した人間に神が行った行為でした。

バベルで神は人々を分けた。でも、プロレスはひとつになれる世界となった。

だから・・・いろんな話ができたんじゃないかな?プロレスでバベルの塔は壊れない。多種多様、多彩にして無限の可能性を秘める世界か・・・自分は、素晴らしい世界に辿り着けることができたんだな・・・本当に、よかった・・・

本年はこれが最後の更新になります。1年間ありがとうございました。まだまだ本格的更新とは行きませんが、来年もよろしくお願いします!!よいお年を!!