○西暦2999年、地球上空、空中要塞ルシファー・パレス、天使長の間
ルシファー「中世の鳥が1羽、末世のこの要塞に迷い込み、そして共通歴1999年へ飛んだな」
ガブリエル「迷い込んだ鳥の正体は共通歴13世紀のヤマト民族の元帝王です。
あの時代の秋津洲、本州でもヤマト民族が官軍と幕府軍に分かれて殺し合う内戦が起きていました。
あの時代の内戦では官軍が敗れ、官軍の総大将だった元帝王達は流罪となって後鳥羽は隠岐、順徳は佐渡、そして土御門は土佐へ流されました。
通路に迷い込んだのは元帝王達のうち、隠岐へ流された後鳥羽です」
ルシファー「元帝王がこの要塞へ迷い込んだのはトキュートとの遭遇直後か…
さてはトキュートの時空移動時に発生した裂け目に飛込んだな」
ガブリエル「追跡して拘束しますか?」
ルシファー「放っておけ」
ガブリエル「しかし彼は元帝王ですが…」
ルシファー「共通歴1433年をもってヤマト民族の元帝王による院政は事実上終わり、1889年以降の世界ではそもそも『治天の君』という概念自体が存在しないのだから、それ以降の時代に飛んだのであれば歴史は変わらないから問題無い」
○西暦1264年8月11日、日本国相模国、鎌倉、北条政村の邸
政村、小躍りしている。
北条時宗、平頼綱、無表情で政村を眺めている。
北条時仁の声「電線にスズメが3羽止まってた」
政村達の前に時仁が出現する。
政村「叔父上!」
時宗「?」
頼綱、抜刀しようとする。
政村「(頼綱に向って)待て!この御方は元連署、時房殿じゃ!」
時宗「…時房殿は24年前にお亡くなりになられたのでは?」
時仁「(政村に向って)執権殿、私は時房ではなく彼の末裔、時仁です。
『神の杖』を探す為にこの時代へ参りました。
西国には無かったのですが、何か心当りはございませんか?」
政村「叔父上ではなく叔父上の末裔のトキュート殿と申されるか?」
時仁「はい」
時宗「…」
頼綱、時仁を睨み続ける。
政村「トキュート殿はきっと本当に叔父上の末裔じゃ。
(時仁に向って)トキュート殿が叔父上の末裔であるならば執権として力になりますぞ。
神具であれば京だけでなく鎌倉にもあるはずじゃ。
(時宗に向って)連署殿、叔父上…じゃなかった、トキュート殿を八幡宮に御案内して下され」
時宗「はぁ」
時仁「宜しくお願いします」
○鶴岡八幡宮
時宗「いかがですか?」
時仁「ここにも無さそうですね…」
(To Be Continued)