昨日はオペラ歌手の斉藤紀子さんに誘っていただき、ヴェルディ作曲のオペラ「オテロ」を観に、成城サローネフォンターナに行って参りました。

70人も入れば一杯のサロンに、20分前に着いた時には既にかなり席が埋まっていました。

いやあ、スゴかった!素晴らしかった!

「オテロ」は、シェークスピアの「オセロ」をオペラ化したもの。この日のプログラムにも書いてあった通り、音楽とドラマが密接につながり、途中2回休憩を挟みますが、幕の間は全く切れ目無く進む3時間を越えるオペラです。

普通アリアの後に拍手をするタイミングがあるのですが、それも殆ど無く。

この日の「オテロ」はサロンなので舞台装置はなく、小物だけ。
黒と白と赤の小物が、このオペラのキーワード的に使われていました。

会場全体を舞台にして、通路も2階席も2階席の柵も全て使って歌手が動いていました。

幕の最初に日本語で歌手達がやり取りして、イタリア語のオペラに入っていき、簡単な説明のプログラムの解説もあって、イタリア語が分からない私でも内容がとても良く分かりました。

昨日は演出、個々の歌手の歌唱力、演技力、ピアニスト全てが素晴らしかった。

オテロ役の上本訓久さん、癖のあるイヤーゴ役の飯田裕之さん、そしてデズデモナ役の斉藤紀子さん他のみなさまの歌唱力が、ここがミラノのスカラ座だと言ってもいい位本当に素晴らしかった。

演奏は、村上尊志さんのピアノ1本。よどみなく続くオペラということは、彼は弾き通しなのです。それがドラマチックに歌手との呼吸もピッタリで、本当に素晴らしかった。

よどみないオペラということは、歌手も歌、歌、歌、と続いていきます。
オペラなので勿論暗譜。
周りの動き、演技、全て把握して進むオペラ。

ただただ脱帽でした。

ヴェルディは凄いオペラを残してくれたものです。

そして、日本人によるオペラがこんなにレベルの高いものになって、しかも身近で聴けるようになって、感激しました。

これだけの舞台に仕上げるためにどれだけの時間を費やされたのでしょうか。

関わられた皆さまに、敬意を表します。