小林麻央さんの若すぎる死に、涙を流した方も多いと思います。

4月には、大変お世話になった作曲家松山祐士先生の突然の訃報に、ただただ驚きました。

私はずっと学生時代から一緒に演奏していたヴァイオリンの友人を、乳癌で亡くしました。乳癌の手術から5年目の検査、これで大丈夫なら一安心という時に再発。

ヴァイオリンの演奏ができなくなるのは困ると、最小限に癌の箇所を取ったのが仇となりました。

それまでも意欲的に大曲にチャレンジして、私を引っ張ってくれた彼女でした。

再発が分かってからも、更にすがるように大曲に挑戦しました。

「次はフォーレのヴァイオリンソナタをやりたいの」

その言葉の後、転げるように体調が悪化。

2ヶ月後の6/5に亡くなりました。

その後急に私の人生が変わりだした。
まるで彼女が自分の分まで弾いてくれというように。

それまでの私の仕事の中心は、子ども達にピアノを教えることでした。

それが変わった。

不思議なことに、それから毎年彼女の命日辺りに、演奏の仕事が入ってくるように。

人間の命は果てても、思いは届くのだと思っています。

彼女の分も生きます。


(松山先生のお別れの会の写真から)