校舎の写真

(塙保己一学園ホームページより)

 

一昨日の「第17回歌い継ごう日本の歌」には、お寒い中、たくさんのお客様にご来場いただきまして、誠にありがとうございました。

自分でも「どうして??」と思うくらい変なミスばかりしていましたが、それでも喜んでいただけて、ほっとしているところです。

 

そして、昨日12月14日には、川越にあります視覚障害者のための学校、埼玉県立特別支援学校塙保己一(はなわほきいち)学園で芸術鑑賞会があり、一昨日の共演者川口京子さんとコンサートを致しました。

この学校には幼稚園児から高校生までいて、通うのが困難な生徒のためには、寄宿舎もあります。一口に視覚障害者といっても生徒さんの中には全盲の子、弱視で見た目には障害があるようには見えない子、視覚障害の他にも障害を抱えている子など、様々です。

 

コンサートの前半は全生徒のために、後半は小学校低学年以下の生徒さんは帰られて大きい子のために演奏致しました。

 

リズム感も良くとてもテンションの高い生徒さん達で、体を使って音楽に反応してくださいました。

 

そしてどんな音にもじっと耳を傾けてくださるので、こちらも一音一音漏らさず心を籠めなければと真剣になりました。

 

その音に対する集中力に、私は胸が熱くなりました。

 

小さい音で演奏する時に部屋全体がしんとしてじっと聴いている姿は、今までに経験したことの無いことでした。音楽家としてこんなに真剣に聴いていただけて、演奏していて何度も目頭が熱くなりました。

 

「何かを得ることは何かを失う」というまどみちおさんの言葉がありますが、五体満足な私たちは多くのことを失っているのかもしれない、そしてそのことに気付かずに日々暮らしているのかもしれないという思いに駆られました。

 

たまたまこの日家に戻ってからスーパーで買い物をしている時に、白い杖を持った盲人の方が、レジで困っている様子を目にしました。

 

この学園で育った生徒さん達が、社会へ出てからも学園の中で暮らしている時と同じようにのびのびとそして安全で安心して生活できますよう、祈ります。

 

一昨日、昨日と大変実りの多い時間を過ごしました。

お世話になった皆様に、感謝申し上げます。