震災で被災した岩手県野田村の若者が主催する「のだのカンタービレ」というコンサートに参加して参りました。

このコンサートは7年前地元のピアノの先生達が企画して立ち上げ毎年3月に開催、震災があった年はホールも使えなかったのでお休み、次の年に再開、ようやく昨年夏にホールが完成、今回が6回目となるそうです。

今回初めて参加させていただきましたが、立ち上げたピアノの先生の生徒さん達が大人になり、運営から演奏まで自分達でやっていました。お客様も定着していて、毎年やることで楽しみにしている方が多くいらっしゃいました。
プログラム殆どがクラシックでレベルも高く、野田村から発信できる一つのイベントになるのではないか、そんな気がいたします。

私のプログラムの最初は会場の皆さんと「しあわせなら手をたたこう」。
しあわせなら〇〇しよう 〇〇のところに、会場の方にインタビューをして仕草を考えていただきます。「しあわさならパン食べよう」「しあわせならビール飲もう」最後にインタビューした方は「しあわせなら笑いたい」とおっしゃり、胸にずしりときました。
ここは被災したところ。気持ちが重くなりそうなところを思いっきり大きな声で笑いました。お客様も楽しそうに笑ってくださいました。
その後の私のピアノの演奏は「めぐり逢い~リベルタンゴ~スマイル」

みんなで作り上げたコンサートのラストアンコールは、「花は咲く」。みんなで大合唱しました。私もありったけの演奏をしました。





とても素晴らしい会になりましたが、その運営をやっている若者も半分が今や東京方面に出てきています。出演した小学生に聞いたところ、5年生はクラス8人でしかも男子がいないとのことでした。ここも過疎の問題を抱えています。

町の瓦礫はかなり片付きましたが、いまだに何も無い景色が広がっています。



泊まった宿は、昨年の夏はガレージ処理などの作業で集まった人達が多く泊まっていましたが、作業が減ったのか閑散としていました。



お食事も美味しく温泉もあります。
温泉は露天風呂もサウナも付いています。独り占めして参りました。

東京に戻ると、人で溢れています。震災も忘れたかのように、電気を使っています。
時間の流れも人の流れも全く違います。

岩手県野田村で会った皆さんの優しさ、ゆったりとした時間がもう恋しくなっています。