今の時代は科学やテクノロジーに依存し過ぎる結果、人間が本来持っている力から遠ざかってしまっています。

2007年に書かれた「目覚めよ仏教!」という本の中に、こんなことが
書かれています。

「スリランカの悪魔祓いは村ぐるみのたいへん活気のある儀式です。病院に行っても治らない病気や、精神の落ち込み、無気力などに対して、徹夜の儀式を行うのですが、踊りあり笑いありの、村人が一体となった儀式によって病んだ人は癒されていくわけです。そして大変興味深いのは、スリランカの人たちが「孤独な人に悪魔が憑く」
「孤独な人に悪魔のまなざしがくる」
と考えているのです。つまり、私達がほかの村人達から無視されていると
か、悪意のあるまなざしで見られていると感じるときに、悪魔が襲ってくるわけです。ですから、この悪魔祓い村人一体となって患者をサポートし、一緒に場を共有し、笑い合うことで、孤独を病んでいる人に村人のあたたかさ、思いやりに満ちたまなざしを回復させる場でもあるわけです。~」
こういった場では、免疫能力=自然治癒力が高まると筆者(上田紀行氏)は書いています。
鬱病ほか精神疾患の多い現代、いくら病院に通って薬を飲んでも治らない人が多いことの原因が、正にここにあると思います。
色々なものが発達した結果、人間らしく生きる力を失ってしまう。詩人のまどみちおさんの言葉「何かを得ることは同時に何かを失う」は深い言葉だなと、つくづく思います。