役に立つかどうかわかりませんが
たまには豆知識を。

「新幹線でトンネルに入ると耳が痛くなるのだが
山陽新幹線と比べて九州新幹線ではあまり起こらない。
どうして?」

鉄道マニアのK君から素朴な質問を
いただきました。


その時耳鼻科医でありながら即答出来ず…😭
ちゃんとした回答をブログに載せることにしました。


これには「ベルヌーイの法則」が関係していて…

高校の物理か化学で出てきたような
よくわからない定理。
検索してみても
さっぱり理解できません。

ベル ヌーイの法則とは、
流体の運動エネルギー と位置エネルギー 、圧力 の和は一定
であるという法則らしいです。
即ち
「気体 や液体 などの流体の流れる速度が
上がると圧力 が低くなる」というもので


トンネル内を新幹線が通過する時に
「ベルヌーイの法則」により
新幹線の周りの空気の流れが速くなり、
新幹線の車体の外壁にかかる気圧が下がる為
車内圧に押され、(確かに車体がミシミシいう時がありますよね)
新幹線の内部容積が一時的に増えて
車内部の気圧も下がります。

人間の鼓膜は薄いですから体内(鼓膜の奥)の空気圧により
外側に押され、その圧力を「痛い」と感じるのです。


速度が上がる→外圧(トンネル内の圧力)が下がる→
車内にも内圧が応じる→更に体内の内圧もそれに応じる→
鼓膜に圧力がかかる→痛い!
というわけです。

アクビ、ガムを食べるなどは耳内部の空気を排出し
空気圧を下げる良い方法です。

では山陽新幹線特にN700系では起こりやすいか?
N700系は最高速度が300km、九州新幹線は260km。
山陽新幹線はトンネルが何と56.4%、
博多-熊本は30%。


トンネルが長くてしかも速度が速い
山陽新幹線の方がトンネル中の圧力が
低くなり起こりやすいと考えられます!


K君の耳痛は正常な反応と言えますね。
納得していただけましたか?K君!


熊本で みみ、はな、のど、アレルギーは
ましき耳鼻咽喉科