内田樹氏の『こんな日本でよかったね 構造主義的日本論』を読んだ。同氏のブログから「教育、家族、国家」といったテーマを選んで編纂した書籍なので、同氏のブログ(http://blog.tatsuru.com/ )にアクセスしている方は既に読まれていることになるが、編集の力というのだろうか、一冊の本になると同氏が考え続けていることの一部がくっきり浮かんでくる。
こんな日本でよかったね─構造主義的日本論 (木星叢書)/内田樹
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副題の「構造主義的日本論」に関しては、内田氏が「あとがき」で触れている。その中で同氏が「構造主義」について簡単に解説している。曰く「つまり、構造主義的なものの見方というのは、私たちの日常的な現象のうち、類的水準にあるものと、民族誌的水準にあるものを識別する知的習慣のことであると言えるのではないでしょうか。」
これを相場の世界について適用すれば、類的水準にあるものとは「マーケット参加者の市場の認知」であり、民族的水準にあるものとは「自分の思い込み(観念)」か…。
同氏はまた「わたしたちが自分の経験の客観性をつい過大評価してしまうのは、「自分だけに見えているもの」と「みんなにもそう見えているもの」の相当部分が「かぶっている」と同時に「ずれている」からです。」とも述べている。とすれば、類的水準にある「マーケット参加者の市場の認知」と民族的水準にある「自分の思い込み(観念)」も相当部分「かぶって」と同時に「ずれている」ことになる。「構造主義」は「それらを識別する知的習慣」ということなので、この「知的習慣」を体得すべくまた新たな態度で相場に向うこととする…。(体得した習慣は、毎晩の晩酌と喫煙しかない自分が、この「構造主義的知的習慣」を体得できるのかどうか、はなはだ自信はないが。)
さて、以下は類的水準にあるものを殆ど無視した民族的水準にある今週の相場予測である。
【ドル/円:106.50~108.50】
先週の相場は、「上に行こうと見せかけて反落するのではないか」という予感が半分ほど現実なものになった。半分ほどというのは、下げも限定的なものに留まったから。それはともかく、相場は週足のパラボリック=108.39にタッチせずに反落しているし、週足は上ヒゲのやや長い寄引同事線となったことで、今週は続落の可能性が高い。ただ続落と言っても、大した値幅にはならない。5週移動平均線が107.10近辺に位置しているし、週足転換線は106.17に位置している。週足転換線・基準線の位置関係はドル上げとなっているので、下げても106.50辺りまでとみている。
【ユーロ/円:164.50~168.50】
週足は、先々週の下ヒゲの部分を実体で埋め切ったが、チャートの形はユーロ/円の下げを示唆するものに乏しい。先週末引値が5週移動平均線=168.71を下回っていること、ストキャスティックスの%Kが%Dを上から下に切り始めていることが、ユーロ/円の下げを示唆しているが、相場がパラボリック=166.40、或いは、転換線=165.85を下抜けない限り、安心して売りをキープすることができない。
日足は、パラボリックに売りサインが点灯し、ストキャスティックスの%Kは40%を切ったばかりなので、続落の可能性が高い。引値が、日足転換線=168.47超えとなるまでは戻り売りで攻めたい。下値は、厚い雲=164.00~166.70が控えているので、何処まで下げることができるのかどうか判然としない。ただ、豪ドル/円が厚い雲を下抜けそうな格好となっているので、ユーロ/円も同じような軌跡を辿ることも否定できない。
【英ポンド/円:209.00~214.00】
ユーロ/円と同様に戻り売り、但し、引値が214.50超えとなった場合は、売りは一旦止めとなる。
先週末引値=212.85は、5週移動平均線に重なっている。また、週足も日足も、チャートの形は英ポンド/円の上げを示唆している。ただ、英ポンド/ドルが日足のネジレ=1.9700を切りそうな格好となっているので、この下げに英ポンド/円が連れ安となる可能性がある。相場が、日足パラボリック=211.50に触れることができるかどうかが鍵となりそう。
【豪ドル/円:98.00~102.00】
乱高下しながらも、下げが続きそうな格好である。
週足引値は、5週移動平均線=102.50と転換線=101.87を大きく下回った。週足パラボリックが99円近くまで上げてきているので、相場がそこまで下げると96円前後までの下げとなる。長期的な買場を提供してくれそうな相場展開となりそうだが、底打ちを確認するまでは値頃感からの買いは控えたい。
日足は、雲の中に留まっているので、乱高下する可能性が高い。ストキャスティックス%Kが20%を割り始めているので、目先の底は近いのかも知れない。今週は、日足転換線と基準線が102.23で重なっているので、戻りはその辺りまでと考えているが、反面100円以下の相場が継続するかどうかは疑問である。