「米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に端を発した金融資産の評価の劣化で、米金融機関の損失が4600億ドル(46兆円)に膨らむとの試算を米ゴールドマン・サックスがまとめた。」(日経新聞08/03/26付)
この記事を読んだ時は、流石に驚いた。試算が現実化するかどうかは別にして、日本の国家予算のほぼ半分である。因みに、米国08年度の予算総額は2兆9020億ドル(約300兆円)。日本とはスケールが違う。いいとか悪いとかいう問題は別にして、何をやるにしても米国はダイナッミクというか力技である。大分以前にここにも書いたが、初めてエンパイアー・ステート・ビルのエレベーターに乗った時のことを思い出す。日本の高層ビルのエレベーターに備わっている静かさとか乗り心地の良さといったものとは別物である。高層ビルのエレベーターは、力で持ち上げるという、非常に単純な発想とその具現化である。昔のアメ車も同じである。ボディサイズがでかい、その大きさでスピードもだそうと考えるからエンジンの排気量は必然的にでかくなる。その発想と具現化の間には、何の躊躇もないし、洗練さもない。自動車のスピード・レースといったらインディ500である。シケインなんてものは最初から考えていない。だってスピード・レースなんだから、何でクルマを減速させる必要があるのかと…。
一方で、米国はフロンティア精神をその歴史形成の原動力としてきた。東から西に開拓が済むと、太平洋を越えてアジアまで進出してくるし、水平方向への開拓が済むと、今度は縦方向の開拓となり摩天楼や宇宙開発となっている。
この単純さとフロンティア精神は、米国発の金融工学といった形で世界の金融市場を席巻する。米国の金融規制は、新しい金融商品とのイタチゴッコである。規制外の金融商品をどんどん開発する力が、言ってみれば、金融工学の力でもある。証券化商品も、最初は良かったのであろうが、それが人気商品になり、ついにはその商品の持つ力以上のものがその商品にはあると皆が思い込んだ瞬間にその商品価値が限りなく減価し始める。大排気量のクルマでも、能力以上にアクセルを踏み続ければ、エンジンはクラッシュする。今回の金融市場の混乱も、それと同じこと。
クラッシュした部品を集め、修理し、再構築するまでには、それなりの時間が掛かるが、米国のダイナミックさが少しでもその時間を短縮してくれることを期待したい…。(ブッシュには期待しようにも、期待できないが、バーナンキにはブルース・ウィリス張りの活躍を期待してます!)


来週の相場のイメージが湧かないので、長々つまらない思いを綴ってしまった。
イメージが湧かないのは、相場が上にも下にも、どっちに行ってもおかしくないからである。身体感覚では、相場は揉み合うと感じているが、それをどう表現していいのか分からない。分からないままで申し訳ないが、以下は来週の取引レンジの予測である。


ドル/円:98.50~100.50
これは想定レンジというか、サポートとレジスタンスである。この間はポジションを建てる必要はなく、相場がこのサポートないしレジスタンスをブレイクしたら、その相場について行けばいいということである。


ユーロ/円:155.00~159.50
暫く横這う相場となっているが、来週については、バイアスは下げ。引きつけて売りか…。ただ下値も154.50割れはないとみている。


英ポンド/円:196.50~201.50
バイアスは下げ。3月14日から引いたサポート・ラインを週初から下抜けそうである。196.50割れの引値が出現した場合は、注意が必要である。日足パラボリックが193.60に位置しているので、相場がそこにタッチすれば戻り売りがはっきりする。


豪ドル/円:90.50~92.50
ドル/円と同じく、これはサポートとレジスタンス。いずれかをブレイクしたら、ポジションを建てることになる。