2005年、2006年と20兆円ずつ日本から海外へお金が出て行ったらしい。

今年はどれだけの円が外貨へ逃避しているのか…。何しろ、郵便貯金を下ろして外貨投信買いに走るご時勢である。ちょっとした、投信バブルと言えなくもない。

日本人は、と一括りにものごとを語りたくはないが、隣の人がやっていることにどうしても気が向いてしまうのが我々の性らしい。戦後の復興を支えた「三種の神器」の話もある。隣がカローラを買えば、内はサニーを買わずにはいられなくなる。そんな性癖を見越してか、銀行・証券ともに「貯蓄から投資へ」と個人投資家、特に団塊の世代をターゲットにして、人のポケットに手を突っ込んできている。

米国の投資哲学からすれば、退職したら基本的には債券投資とのこと。つまり、若い時代には多少投機をしてもいいが、年をとったら安定収入を指向するのが常識である。若い時分には、損をしても取り返すことができるが、退職したらそれは無理ということである。

尤も我々は、若い時分にはお金も投機に回せるほごないし、30~40代ともなれば仕事に忙殺され投機をしている時間もないのが現実である。そうやって、会社頼み国頼みの年金制度に組み込まれ、退職する時点では、退職金だけでは心もとなくなり、少しでも増やしてみたくなる気持ちは分かる。でも、やはり投機の世界を知らず、退職してからその世界に足を突っ込むのことが、如何に危険であるかも知っておくべきであろう。

国のいいなりになってやっていたら、年金は減る一方で、おまけに、払っていても払ってないと言い張る役所も出てくる始末である。国がそんな状態だから、銀行・証券の言うことなんか、まるで当てにならないと考えるのが普通だと思うのだが、毎月分配型とかいう投信の残高が一時2兆円を超えてしまう…。

為替証拠金の世界では、口座開設者に対するキャッシュ・バック・キャンペーンが盛んである。口座を開いただけで、5千円が貰えるとあって人気上昇中らしい。銀行・証券に限らずどの業者も、個人投資家の利益より自分の利益が優先するのは仕方がないことかも知れない。ただ、そんなただ金を貰っても、何故その業者が存続して行けるのかを、少しは考えてみた方がいい。

知らない間に、ポケットに手を突っ込まれているのではないかと…。