脳動静脈奇形と言う病気は、しつこく言いますが

【10万人に1人】の難病です。

そして脳の病気なので、その箇所や病状も人によって違います。

大きく分けるとまずは二種類(右脳、左脳)
に分かれますよね。

そしてその二種類の中から更に
四種類(前頭葉、前頂葉、側頭葉、後頭葉)
にまた部位は別れます。

僕の場合は【左脳】の【側頭葉】でした。

つまり同じ箇所に脳動静脈奇形が出来てる人自体がまず相当珍しいんです。

同じ左脳だからと言っても、側頭葉なのか前頭葉なのか、など色々と人によって痛みや症状が違います。

それなのに患者は約10万人に1人しか居ない。

もっと言うなら、
仮に全く同じ場所に同じ脳動静脈奇形が見つかった人が2人が居たとします。

その人達の性別が違ったり、年齢が違ったりしたら、それは同じ条件とは呼べませんよね。

風邪なら違うんです。風邪は同じ性別で同い年の人も同じ症状になったりしますよね!
だから薬や治療法が同じなんです。
どんな病院でも直してもらえたりするんです。

ただ脳の難病と言うのは、同じ条件の人はほとんど居ません。
10万人に1人の難病なら尚更居ないんです。

僕みたいに左利きだから、

「左脳と右脳が逆の働きをしていた。」

という人もいるハズ。

何が言いたいかと言うと、
【脳動静脈奇形】と言う難病は
確かに10万人に1人だけど

症状や治療法まで含めると

【世界に1人の難病】なんです。

これは脳動静脈奇形に限った事では無いかもしれないですが、難病の中でも珍しいモノなんです。

お医者さんはその患者さんの症状や脳動静脈奇形の箇所を考えながら、一番良い治療法を探す訳です。

そして現在では3種類の治療法があります。
以前ブログで詳しく書いたので、簡単な説明になりますが

【開頭手術】
頭皮や筋肉を切り、頭蓋骨を開けて、直接的に脳動静脈奇形を切除し、動脈と静脈を正しく繋ぎ直す手術。この手術が成功すれば脳動静脈奇形は無くなります。回復も一番早いとされています。
しかし3種類の中で唯一、頭皮や頭蓋骨を開けたりするので治療期間が長いです。そしてしばらくリハビリなども続きます。僕の治療法はこちらでした。開頭手術をすると暫くは脳の腫れが治りません。見た目は治っていても、腫れが残ってしまい、頭の中に痒さが出てきたりします。
そして、部位によっては開頭手術が出来ない場所もあります。例えば右脳の前頂葉の奥の方、とかだと、そこを切る前に別の脳を傷付けてしまう可能性がある。だから手術ができない、と言う場合もあるんです。実際にこのブログの読者さんでも「開頭手術が出来ないと言われた」と言っていた方が数人いました。
10万人に1人の難病なのに、手術が出来ない方が数人もいるんです。これは患者さんもお医者さんも勿論悪くないのですが、どうにか現状(医療のね)を変えてあげないとなって本気で思いましたよね。

【ガンマナイフ治療】
こちらはレーザー治療になります。
これの良い所は大概の病院だと2泊3日などで退院出来る事、そして傷跡などが目立ちずらいんです。治療中に頭が動いたら困るので、まず頭に局所麻酔を4箇所打ちます。そしてヘルメットの様な物を被り、ヘルメットと先程局所麻酔を打った四箇所を繋ぐ為にフレームを頭に刺します。
痛みは麻酔をしているのでそんなにないハズですが、その四箇所には傷が残ります。(ちゃんと治ります)
手術時間は2015年までは約6時間と言われていましたが、現在では30分〜1時間半で終わるそうです。一見すると開頭手術より早く安全に終わりそうな手術なんですが、難点があります。
実はこの手術は成功率も高いのですが手術後にすぐ完治する訳ではないんです。手術後、完治までにはおおよそ2〜3年掛かると言われています。
しかも完治までの間の数年間も、再出血の可能性は治療前と変わらないそうです。
つまり手術は受けたが、2〜3年間は脳動静脈奇形が残り続け、再出血もあり得る。
と言う訳なんです。でも再出血の可能性も2%ぐらいなので限りなく低いのも事実です。

【カテーテル手術】
これは血管内からマイクロカテーテルを挿入し、患部をコイルなどで埋めたりする治療です。
正直な話、これが一番安全だと思います。
ただし、この手術のみで脳動静脈奇形が治る人は10%しか居ないみたいです。
10万人に1人の難病患者の中の更に10%です。
これはあまり考えないで病院に行った方が良いと思いますね。
そしてこの治療法だけが、唯一脳動静脈奇形を消さないんです。
ガンマナイフでは三年間で完全に脳動静脈奇形が消え、開頭手術では当日に脳動静脈奇形が切り取られます。
なので難易度の高いガンマナイフ治療や開頭手術の前にサポートとしてカテーテル手術をする場所が多いですね。

この様に、脳動静脈奇形は手術が終わったから安心!と難病ではありません。

カテーテル手術が成功しても、もしその後また何かがあれば開頭手術やガンマナイフ治療を受けなくてはいけない不安。

開頭手術をしても、傷が目立つし、当面は激痛や異常な程の顔面や脳の腫れとの勝負です。
ほかの手術と違い、筋肉や頬骨を切る事もあるので、暫くは話したり食べたり笑ったりが出来ません。僕は手術後一カ月以上経ちましたが、未だに笑ったり食べたりが痛くて苦手です。

ガンマナイフをしても、三年ほどは再出血の可能性があり、大きい動きは避けなければなりません。そして恐怖とも戦わなくてはなりません。

脳動静脈奇形は手術が終わってからも戦いが続きます。
そして完全に脳動静脈奇形が無くなっても、今度は後遺症や合併症との戦いが続きます。

一番多いのが、麻痺やてんかんです。

本当に長い戦いになりますが、絶対に乗り越えられると自分自身も今信じて生きています。

そしてこのブログを見てくれている仲間達の難病も必ず治ると信じて応援しております。

皆でいつかこの勝負に絶対勝とうね!
手術を受けられない仲間達も、絶対に生き抜いて欲しい。

皆、今日も愛してるぜ!!