※病気の関係で前回も書いた様な話をもう一度書いていてしまったら申し訳ありません。

翌日の朝早くに僕は点滴を3つ付けられたまま、CT検査の部屋まで運ばれました。
顔や身体を、器具やベルトでベットに固定され撮影をしました。
その次に、点滴から「造影剤」と言う血管をより詳しく見る事が出来る薬を投与されてから撮影しました。

ただし、この造影剤と言う薬。
弱点があって、かなり身体が熱くなります。
今回は静脈に打たれて上半身が熱くなりました。
例えるならば、身体はサウナに数秒入らされた感じで、内臓や頭は凄く濃いめのアルコール飲料を一気飲みした様なアツさ。
自分では意外と長く感じますが、お医者さん曰く実際は5〜10秒ぐらいのモノだと言う事でした。

そしてその検査を終えて集中治療室へと帰還。
この時は確か時間が11時ぐらいだった気がします。申し訳ないのですが、この辺りの記憶がフワフワしています。

ただ確実に覚えているのは昨日のレコーディング前の16時頃に食事をとって以降、全く食事も飲み物も飲んでいないと言う事。点滴のみでもうすぐ24時間が経ってしまうと言う事でした。
それなのにおしっこは出るんですよね。でも点滴の量や、頭を動かしたり出来ないので、看護師さんを呼んで「尿瓶(しびん)」におしっこを出させて貰うんですが、何故かわからないんですが、女性の看護師さんが非常に多かったので、ズボンやパンツを下ろして貰った後に、自分の男性器を触られるのは非常に恥ずかしかったのを覚えています。勿論、あちらも仕事なので何の感情も無いんですが、いかんせん未経験だったので凄く辛く恥ずかしかった覚えがありました。

その後、夕方前頃に家族とマネージャーと僕がいる部屋に先生が到着し言われたのが

「翔太くんはただの脳出血では無く、もしかしたら【脳動静脈奇形】と言う10万人に1人しか掛からないと言われている病気の可能性があります。」

と言われました。しかも聞いてみると、
10万人に1人がその病気を持っているが、その病気が原因で脳出血を起こす確率は2%らしい。
つまりとんでも無く低い確率の病気との事。

これを聞いた時にまず最初に思った事。

「え、僕死ぬの?死にたく無いよ!!」

でした。これは未だに覚えています。
更にこの病気の恐るべき所はまず、
一度でも出血すると、次回出血する確率が2%から一気に6%以上に増えると言う事。(1、2年の間は。)
そして出血をした場合はクモ膜下出血を起こし死亡してしまったり、意識障害、視野や視力障害、失語症、高次機能障害、片身麻痺、などを起こす確率があるそうです。

こんな事を聞いたら、人間って本当に何も考えられなくなるんです。怖いと言うより怒りの方が強かった。なんでだよ!!なんで10万人に1人の病気が僕なんだよって。

その後、そんな僕を見て先生が

「まだ確定ではないので、明日動脈カテーテルをやって更に詳しく検査をしてみましょう」

と言ってくれました。
カテーテルとは動脈血管より細い医療用の管の事で、それを足の付け根、分かりやすく言うと性器から10cmほど右横の部分の足の付け根の動脈から差します。そして動脈内を通り、心臓部分を超えます、そして首と脳の付近(これはどこで出血してるかによって場所が変わります。)で、カテーテルから先ほども書いた造影剤を投与し、それを撮影し、原因を更に詳しく調べる為の物です。

これで脳動静脈奇形だと診断されたら、確定と思ってまず間違いないとの事でした。

僕はまだ入院した事すら納得出来てない中、新しい話しや状況が増えていきドンドン混乱していきました。ただし、この辺りから脳動静脈奇形について調べたり、カテーテルについて調べ始めました。家族やマネージャーも一緒に調べてくれました。社長も忙しい中「病院どこだ!?行くぞ!」と心配の連絡をくれました。

そしてこの後、夕方18時頃に24時間ぶりのご飯を食べました。
が、全体の3分の1程度しか食べれませんでした。
嬉しさよりも、やはり恐怖や不安が勝ってました。そして何より明日のカテーテルをどうしてもやりたくありませんでした。。。