今回はイタリアオペラの巨匠「ヴェルディ」の書いた、合唱の部分についてお話しします。
ヴェルディのオペラの合唱部分は、まるでタイムトラベルをしているように異次元空間を表現しているようです。
歌劇『椿姫』の中では、19世紀中頃のパリの上流社交界の紳士淑女達が集い酒を酌み交わし、まばゆいばかりの喜びと官能を歌い上げています。
また、歌劇『アイーダ』の中では、古代エジプトの民衆と聖職者達の大合唱で歓喜と兵士への感謝を歌い上げています。
アイーダ の2幕の凱旋の行進の場面の大合唱は圧巻です。
そして歌劇『ナブッコ』では、バビロニアとの戦い敗れたヘブライの人たちが抒情的なメロディーで故国への思いを歌い上げています。
それは、美しさで人々の心を掴む効果があります。
歌劇『トロヴァトーレ』では、兵士や修道女、ジプシーたちが合唱でストーリーを緊張感たっぷりに彩りを与えます。
ヴェルディはまさにオペラ音楽の魔法使いです。
音楽の構成自体は決して複雑でなくシンプルです。
そのシンプルだから最大の効果をなしえていると思います。
今回の動画