「アルプスの少女ハイジ」についての考察 | マーシー山本教授のゆるゆるクラシック日記

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マーシー山本のお仕事の報告やクラシック音楽の豆知識をお届けします。

『アルプスの少女ハイジ』は

1974年に放送されました。

 

その当時マーシーは中学2年。

吹奏楽部でトランペットを吹いていました。

テレビからハイジの主題歌「おしえて」の

冒頭のホルンの音色を聴いて感激しました。

 

「おしえて」はその後の人生を変えた

大事な楽曲です。
今回はこの「おしえて」を紐解きたいと思います。
 

●前奏 
この曲は作詞岸田衿子、作曲渡辺岳夫です。


調性はハ長調。
冒頭はホルンのソの音からはじまり
最高音はミです。

 

歌の調性は歌手に合わせる為

中々伴奏の楽器と調性は

ぴったりとは合わないのですが

この「おしえて」はホルンに合っています。

半音低くても、高くても駄目です。


●ヨーデルの規模
ホルンの前奏の後に登場するのが

アルプス地方一帯で歌われている

ヨーデルです。


「おしえて」に出てくるヨーデルは

素朴で派手さはありませんが

そこが登場人物に合っています。

※ハイジ・クララ・ペーター・おんじ

ヨーゼフ・ユキちゃん・ゼーゼマン

セバスチャン・チネッテ

そしてデーテおばさんなど


ちなみにヨーデルを歌っているのは

ネリー・シュワルツ。

歌は伊集加代子です。

●ソナタ形式
クラシック音楽で重要なソナタ形式。

提示部・展開部・再現部・コーダ、

という形式で成り立っています。


『アルプスの少女ハイジ』も

ソナタ形式になっています。


まず、デーテおばさんに連れられ

ハイジがアルプスの山小屋に住む

おんじの所へやってきます。

 

そこでおんじと生活をしていくうちに

アルプスの素晴らしさを体験し、

心からアルプスが好きになります。

このアルプスの生活が提示部です。


そしてまたデーテおばさんがやってきて

ハイジを都会のフランクフルトに

連れていきます。

 

金持ちのお嬢様クララのお相手としてです。

しかし都会はハイジの感覚には合わず

心が病んでいきます。

このフランクフルトの生活が展開部です。


そして傷ついたハイジは

あのフランクフルトから

アルプスのおんじの所へ帰っていきます。

このアルプスの生活が再現部です。

 

そしてクララも加わり

歩けなかったクララが歩けるようになる!

これがコーダです。


ハイジの物語もソナタ形式も

完璧で最高の形です。
 

またの機会に「おしえて」の

旋律の和音の構成や

挿入歌についてお伝えします。