今年の年始もさいたまを不在にしていた。
だから、年始初の大宮公園は1月14日となった。
年内最後にキラホシにあったのはクリスマスイブの日だった。
実に半月ぶりだった。
開園時刻から訪問。
日曜午前担当のキラさんが「屋根付き特等席」で寝ていた。
寝ているキラさんを邪魔するようなことはしない。
しばらくぶりのキラさん、寝ている姿を微笑ましく拝んだ。
キラさんもこちらに気付けば、近くにやってきてくれた。
キラさん
ところが、昼前の個体交代の時間になっても交代がなかった。
事情を知らなかった。
園内掲示、ホームページには一切触れられることがなった、ホシくん不在について。
公式SNSがあり「体調不良により展示がない」旨の記載があった。
この園は「動物の体調不良などで展示されない」という大事を万人に対して「お知らせ」しない傾向がある。
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ホシくんが体調不良であることをその後教えてくれた人がいたために知ることとなった。
SNSでの記載を帰宅後に確認した。
1月11日分投稿でホシくんが体調不良によって展示を見合わせている措置について、記事があった。
いよいよかもしれない。
高齢のキラホシのことを思うと不測の事態、最悪の事態も「覚悟」しなければならないのかと。
仮に年末クリスマスイブの面会がまさか最期になってしまうとなれば、大いに後悔することになっただろう。
ホシくん不在の期間は寒いのにキラさんがフル稼働で仕事をした。
本当に厳寒期の仕事、ご苦労様だったのがキラさん。
1月はとにかくホシくんの不在と最悪の事態に対する不安から、精神が不安定な日々を過ごした。
ちょっとした体調不良かもしれないが、高齢ゆえに、簡単に済まないと勘ぐった。
ホシくんとの永遠の別れの覚悟も固めつつあった。
とにかく、冬晴れでもホシくんのいない日々は心はいつも晴れない日々を過ごしてきた。
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その状況に変化が現れたのが1月末。
SNSでホシくんの展示を再開したと記載があった。
すぐにでも会いにゆきたかったが、仕事で多忙なため会いに行けるのは週末。
2月4日立春。
ようやくホシくんとの再会が叶った。
出てきた瞬間は元気そうだった。
だが、出てきたホシくんは今までとは全く違って「死に体」だった。
外に出た瞬間のホシくん
足取りは覚束ず、寒さのせいで震えは止まらず、目には覇気や若さがない。
こんなに短期間でこれほどまでに変化してしまうものなのか。
これはいよいよ死期は近いのかも、と愕然としたのを覚えている。
この日のホシくんは立っていられなかった。
あの健脚自慢のホシくんが、歩くのもままならず。
歩く姿はヨボヨボのヨチヨチ。
歩くのを諦めて、丸くなって寝るばかりだった。
余計に不安になったまま帰路についた。
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2月10日、土曜。
一週間後の休日、再びホシくんを訪ねた。
天気が良かったため、寝ていた。
少し春めいており、こういう時は動物たちはよく寝る。
ホシくんも例外ではなかった。
寝ているホシくん
ホシくんの具合について、この時は回復を感じなかった。
この状態の印象を引きずったまま、11日には日本平動物園に出かけた。
キラホシの子供たち2頭と担当飼育員氏に会うために。
担当さんにはホシくんの状態を動画でも見てもらい、いよいよかもしれないと話をした。
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2月18日、日曜。
用事のために朝や昼ではなく閉園間際になってホシくんに会いに出かけた。
すると、かつての健脚自慢のホシくんの姿があった。
カピバラ側のガラスのない辺りを右往左往する姿が。
回復基調の姿を見て、歓喜した。
以降、ホシくんは日に日に体調を取り戻していった。
となると、一体ホシくんはどうして体調不良に陥ったのだろうか?という疑問が残る。