知らせを聞いた夜に見上げた空には、銀色に光った上弦の月だった。
もうキミは、この月を見ていない。
それが悔しくて。
悲しくて。
銀色に歪んだ月を時々見上げながら帰った。
爽やかな秋晴れの一昨日。
青空は高い。
その夜は満月・・・に1日足りない、金色の月が出ていた。
キミも見ている気がした。
何故なら、
私が見ているから。
体はこの世から消えてしまったけど、魂は残る。
それは「さ迷い」ではなく、
キミが大切にしてきた人たち、
キミを大切に思っている人たち、
一人ひとりの心に棲みついているから。