「ごめ…ん…畳の上で…」
櫻井さんは俺を腕枕しながら
ゴソゴソ毛布を掛けてくれた。
「うん…」
櫻井さんの腕の中で俺は
幸せを噛み締めていた。
「お風呂沸かしてくるよ。」
立ち上がって風呂場に向かう
後ろ姿をちょっと素敵だなって
思ってしまう俺…
筋肉質な無駄のない背中
少しなでた肩
キュッと絞まった…
「ん?どうしたの?」
「さ、し…翔の後ろ姿が…」
「俺の後ろ姿?」
「カッコいいなぁって…」
「ぶはっ。後ろ姿かよ。」
櫻井さんは眉毛を下げて笑い出す。
俺の隣に潜り込み首元に顔を埋め
「雅紀は凄くいい匂いがする。」
そう言って喉元をペロッとナメた。
ビクッと身体が揺れて声がもれると
身体の隅々にくちびるが落ちてきた。
たちまち俺は大きな波に飲み込まれる
ように堕ちていった…
つづく…