年明けに急激な円安が進み、1ドル116円をいきなり付けた。
やはり日本は瀬戸際だ。
もう長いことアベノミクス≒異次元緩和は、通貨安インフレの泥沼を招くと警鐘を鳴らすと財務省の犬呼ばわりされてきたが、最近は同じ論調の記事も目立ち始め、随分と風向きも変わって来た。それ自体が日本の危機が深化した証左だろう。
今、米が緩和縮小・財政正常化に向かう中、コロナでバラマキを続ける日本は低金利政策を続けるしかなく、国家間の相対評価である為替レートは負ける一方が続くだろう。

これをなんとかしたいといっても、高齢化層の増大に対処するための消費税などの痛みを30年回避し続けてきたので、日本の財政は極端に硬直化し、社会保障費と国債関係費以外は伸びゼロなのに経常的財政赤字は予算の3割を占めるので、財政収支の改善はとても困難。
だが、このままズブズブ沈んで一部の層以外はみんなで貧しくなるのが嫌なら、税制と医療の大改革が必要だが、コロナ禍を見てもガッチリと与野党を抑え込んだ日本最大の既得権益団体の日本医師会や、大票田の高齢者層の反発を受ける大改革など今の政治にはできる訳ない。

そして本来なら社会に警鐘を鳴らすべきマスコミは、政治以上に視聴者層のご機嫌取りと手前勝手な洗脳大好きな上に、ある意味医師会以上の既得権益だから抜本的改革など大嫌い 。

さらに解決困難な根本的な問題は、各種輸出産業も目先の利益追及や安易な円安頼みが続いた結果、国際競争力を軒並み失ったこと。最後の手段だったインバウンドもコロナに怯え自ら徹底的に痛めつけ、今や江戸時代のような鎖国を続ける始末。観光客どころか事業の維持に必要な労働力すら締め出して、まさに自分で自分の首を絞めている。

そして、いつまでも小手先の微修正しか出来ない日本が行き着く先は、かつての栄光が果てしなく失われ続けた第二次大戦後の英国か、ハードランディングの南米か。
子どもたちに外国語を学ばせ、外に出すくらいしか抵抗の術はないのかも知れない。