ようやく厚労省が、ファイザーやモデルナのコロナワクチンの添付文書に「心筋炎等について重大な副反応と位置付ける」と添付文書に明記する方向性であるとの文書(「コロナウイルス修飾ウリジン RNA ワクチン(SARS-CoV-2)の 添付文書の改訂について」)をワクチン分科会に提出した。

 

ワクチン接種が先行していたイスラエルなどで半年前から16〜19歳の若年男性に多く見られると報道(ロイター)もされていたが、今ようやくだ。

この改訂にあたって、どうしても言いたいことが2つある。

 

1つ目は、ならば接種後心臓関連死をすべて「因果関係不明」で片付けて来た従前症例についても全面的に再検討すべきということだ。

現在のところ、「補償は国が責任を持つ」というワクチン導入前の政府答弁と異なり、死亡を含む重篤な副反応とワクチン接種との因果関係はまったく認められていない。

これは、「予防接種の副反応による健康被害は、極めて稀ですが、不可避的に生ずるものですので、接種に係る過失の有無にかかわらず、予防接種と健康被害との因果関係が認定された方を迅速に救済するもの」である予防接種健康被害救済制度の趣旨に反している。添付文書上に「重大な副反応」と明記されるのであれば、関連があり得る接種後死亡は、迅速に救済するのが当然だ。

試みに発生率が高い(フランスの報告では超過発生数が131/100万件)モデルナについて(ファイザーは追って)、一般的に自然死が発生する確率が極めて低い30代以下への接種後死亡の心疾患症例について検討してみた。

 

①報告書死因がずばり心筋炎となっているもの

 モデルナの接種後死亡報告書番号20,44 (以下の表は厚労省ワクチン分科会12月3日資料より青山まさゆき事務所が抜粋して作成)

前記のとおりこの2例は直ちに躊躇無く因果関係を認めて補償制度の対象とすべきだ。

なお、20は専門家評価が「ワクチンが原因であることを示唆する根 拠は時間的関連性のみとも考えられる(ウイルス性による 発症も否定はできない)ため、ワクチン接種が心筋炎の原 因だと強く疑うことは困難」とされていた。しかし、添付文書上、重大な副反応とされることになり、前記厚労文書で紹介されているフランスでの超過発生数(寄与危険割合を用いて推定した、ワクチン接種(曝露)によって過剰に発生した心筋炎の数)が131/100万件という値であることからすれば、逆に「強く疑う」のが当然だ。

 

②報告書の死因が心臓関連死になっているもの 

モデルナの接種後死亡報告書番号11,17,28,55

致死的不整脈や心不全は、劇症型心筋炎の結果と一般的にされているところ(MSDマニュアル)。したがって、これらも①と同様、当然補償対象とすべきだ。

急性心筋梗塞とされている28も、心筋炎は心筋組織壊死をもたらすことから、急性心筋梗塞と診断されてもおかしくない。一方で表によれば見られているのは冠動脈硬化所見のみで冠動脈の閉塞所見があったとされていないので、急性心筋梗塞とするにはエビデンスが足りない。したがって、これもやはり補償対象とすべきだ。

 

①②とも疑わしきは補償、が予防接種健康被害救済制度の趣旨のはず。特に今回のように国策で、拙速かつ半強制的に進められた背景があればなおさらだ。

 

2つ目の言いたいこととは、前記文書で厚労省が「最新の情報の周知や注意喚起を行 ってきた」と大嘘ついてることが許せない、ということだ(これについては次のブログで詳しく触れる)。

厚労省の不十分かつ不正確な情報提供のために何も知らずに接種して亡くなられた方のご遺族や、今も後遺症に苦しんでいる多くの若者に、きちんと謝罪をなすべきだ。

 

(厚労省ワクチン分科会資料に青山まさゆき事務所がマーカーを付記して作成)