とうとう心配された死者がでてしまった。大阪府で、小学校5年生がマスクを付けて体育で持久走を走った後、死亡したのだ(産経)。(ただし、現時点では同級生の話からすれば走っている間マスクを付けていたとみられるが、死亡との因果関係ははっきりしていないようだ。)亡くなられたお子さんのご冥福を心よりお祈りする。

 

たまたま昨日、衆院文科委院会で、文科省に対し「マニュアル(46頁参照)では体育の授業中は「マスク不要」とあるが、すぐ後に「十分な身体的距離が取れない場合には着用」とあるため、安易に着用される例もある。体育の授業中のマスクについては、熱中症の危険もあるため、「着ける工夫ではなく、運動中は外せる工夫」をすべきと訴えかけたばかりだった。

 

実は、運動中はマスクをしないように呼びかけているのは文科省だけではない。

既に昨年において、昨年、日本臨床スポーツ医学会・日本臨床運動療法学会は

 

「屋外運動時のマスクや口鼻を覆うものの着用は、基本的には推奨いたしません(熱中症や呼吸不全の危険が高まる可能性があり、海外では死亡例もあります)」

 

共同声明を出しているのだ。

 

また、問題なのは体育の授業中のマスクだけでない。

感染リスク・重症化リスクが極めて低く、一方で呼吸機能が未熟な上に体調が悪くても意思表示すら十分に出来ない保育園・幼稚園児にマスクを付けさせる園が多いとの訴えが私の元に多数寄せられている。

 

この点について、優れた解説をしている西日本新聞の記事を少し長くなるが紹介する。

「日本小児科医会は5月25日、2歳未満はマスクの着用をやめるべきだという声明を発表した。さらに、日本小児科学会理事で長崎大の森内浩幸教授(小児感染症)は個人の見解として「2歳以上であっても、自分で外すことができない子はマスクの着用を禁止すべきだ」と強調する。

 子どもは気道が狭いため、マスクによって呼吸しにくくなり窒息のリスクがあるという。また、体温調節機能が未熟で汗をかくのに時間がかかるため、呼吸を早くすることで体温を下げていることや、地面からの照り返しの影響を強く受けることから、マスク着用が熱中症のリスクを高めることも懸念される。

 幼い子どもは言葉が未熟なため、体調の変化を自分で訴えることが難しい。マスクで顔が覆われてしまうと、顔色や表情の変化に気付くのが遅れ、重症化する恐れもある。」

 

一方で、子どもはコロナに感染しにくい上に変異株が流行っている現在でも重症化はほとんどしない。以下は厚労省研究班が作成し、厚労省が公開しているスライド

 

(厚労省Webより厚労省研究班作成のスライド引用)

 

このスライドのとおり、統計的に見ても10歳未満が感染する割合は他の年代に比べて圧倒的に低い上に、かかってもほとんど重症化せず(今現在の重症者はゼロ)、死亡した例はない。

 

 

(厚労省Webより引用)

 

しかも、子どもがうつるのは、学校や保育園・幼稚園ではなく、家庭で親から、特に父親からうつされているのだ。

 

 

(厚労省Webより厚労省研究班作成のスライド引用)


結論。

新型コロナ、変異株であっても、子どもは基本的に重症化しないし、死亡例もない。それよりもマスクによる悪影響が懸念される。呼吸不全や熱中症では死亡することは十分にありうる。特に保育園・幼稚園児などの幼児や、運動中のマスクは害のほうが大きい。感染経路の75%が、家庭内であればなおさら。家の中でマスクはしていないに保育園・幼稚園・小中学校でマスクなど本末転倒もいいところだ。

 

子どもたちには低リスクな感染症である新型コロナ。マスクのリスクを考えて、出来るだけマスクを外させる生活に切り替えていくべきだ。