新型コロナについては、都市伝説レベルのことが大手を振って世の中をおかしくしている。

 

その一つが、若者の感染がやがて高齢者へ波及していく、というもの。

日本では(おそらく海外でも)20代の陽性者が多いのは事実で、階段状に年代を経るごとに陽性者は減少していく。その理由は、一般的には20代の行動が活発だから、と想像されているが、少し疑問だ。年代毎にあまりにきれいに階段上に分かれているし、20代と30代、あるいは20代と10代でそんなにも社会活動に差があるのだろうか?

B型肝炎などから類推すると、20代で完成する免疫反応システムの差異なども影響していそうだが、特に証拠はないのでこれも想像のうち。

 

 

想像といえば、政府(尾身氏もそう)が言う、20代が感染の中心となって他の世代に移していくというのは本当だろうか?

 

普通に考えると、若い世代が付き合うのは若い世代。外食でも20代は20代同士、60代は60代同士で食べに行くことが圧倒的に多いだろう。

そして、世の中は核家族と単身世帯ばかりで、若老同居などほとんどない。20代なら単身か20代同士のカップルで暮らし、30代なら幼年期~少年期の子どもとの同居が圧倒的な多数だろう。そうであるならば、仮に家の外でコロナを拾ってきたとして、家庭内で感染させるのもその組み合わせでは?

 

ということでいつものごとく調べてみた。調べたのは、陽性者とその濃厚接触者の年代を公表している一部の自治体。まずは栃木県。

そして下記のグラフを作成した(注・クラスターは含んでいない)。

 

やはり想像どおり。

若い年代からは若い年代にうつすことが多く、あっても20代なら50代、30代なら60代と、親の世代くらいまで。20代が70代以上に感染させる例はあまりみられない。

20代30代が若い世代にうつしているのはやはり親子だからなのだろう。

 

こうしたデータ分析をしてみると、今の緊急事態宣言のやり方が妥当なのかも疑問になる。一律に飲食店を閉めさせるのではなく、重症化リスクの高い世代に自粛を求める、あるいは高齢者と同居している若年世代に自粛を求めるなどのきめ細かいやり方を探っていっても良いのではないだろうか。

 

そして、緊急事態よりも何よりも重症者・死者を増やす高齢者施設・病院でのクラスター対策(ここにこそ頻回・ルーティンのPCR検査や抗原検査導入を!)を徹底させることが何より大事だ。