世の中、なんでも二分して捉えられがち。

そういった方たちには私はコロナ軽視派に見えるらしい。

 

私は、ただ単にこの疾患の性質や陽性者数や重症者数などの経時的変化、諸外国の状況、対策の有効性とその弊害などを総合して意見表明しているだけなので、○○派とか固定した考え方はないのですが。

そこで、現時点でのまとめをしてみることにしました。

 

まずは、新型コロナという病気をどう捉えているかについて、現在までの医学的知見に基づき整理してみました。(以下はあくまで私がどういう考えを基礎として意見表明しているかをご理解いただくための投稿ですので、その点ご留意ください)

 

「①新型コロナという病気について」

 

風邪≒コロナではありません。2つの顔を持つ病気だからです。

コロナの特徴は、重症化が免疫暴走(サイトカインストーム)により起こるというもの。

そして重症化要因である糖尿病・高血圧等々は、最近の研究では慢性炎症に起因するもの(by前に頂いた宮坂先生のコメント)。免疫システムの一部でもあるサイトカイン(TNF-αやIL-6)は、まさに炎症を惹起させる原因物質)の一つ。慢性炎症があると、サイトカインの暴走が起きやすいようです。

 

ですから、軽症にとどまった例と重症例とでは全く別の病気といっていいほどの違いがあると考えています。2つの顔を持つ感染症なのです。

 

【1つ目の顔≒風邪】

サイトカインストームさえ起こらなければ、症状から見ればただの風邪。発熱や咳、下痢が起きるだけ。症状が全然出ないですむ割合も半分以上ある。

 

【2つ目の顔=凶暴な免疫暴走が起きる厄介な病気】

ただし、一旦免疫暴走が始まると全く別の凶暴な疾患に変化します。血栓症や間質性肺炎もその結果。血管内皮に巣くった新型コロナのサイトカインストームで血栓ができて、各所に塞栓を起こしたり、肺胞の壁が炎症で繊維化して間質性肺炎になり、酸素交換がうまくできなくなるのでしょう。間質性肺炎になれば、コロナ感染が排除されても、壁の間質化は残ってしまいますし、血栓症になった場合も同様で、血栓で組織が壊死したりすれば機能低下は起きるでしょう。これらが後遺症の正体なのでしょう。

 

最近の治療成績の向上は、ステロイドや抗血栓薬を使って、この変化をうまくコントロールして宥めることが出来るようになったからです。

例えれば、キレやすい人をブチ切れるとこまで持って行かずにうまく落ち着かせることができるようになったのです。

 

このような疾患であるからこそ、むやみに恐れたり、経済的打撃を無視してロックダウンで感染を無理矢理封じ込めようとするより先に、医療体制を拡大して「ブチ切れることを防ぐ」という対応を優先すべきではないかと思うのです。

 

そのため方策の一つには、医療側が取り扱いやすくするよう、指定感染症としてどのような取り扱いとするか定めている政令の改正をしていくことも挙げられるでしょう。

また、保健所がいつまでもクラスター対策として感染ルートを満遍なく行うのも取り止めて(勿論病院・高齢者施設など必要なケースには継続)、遺伝子解析を速やかに行い、変異株の出現に備えるなどに人的資源を投入していくのも効果的な対策となるでしょう。

 

 

また、肥満気味の方は先に挙げた糖尿病などの慢性炎症に起因する慢性病を複数持っているのが普通ですから、当然重症化しやすいでしょう。

アメリカ人などニュースみていても太っている人の割合が異常に多い。緊急事態宣言よりも3ヶ月で減量、を呼びかけて慢性病のコントロールを良好にすることを呼びかける方がより積極的かつ効果的な手法かも知れません。

 

また、事実として争いのない20歳未満の重症者が少ないことについて、私の推測を述べれば、免疫システムが未完成なのでサイトカインストームが起きにくいから(B型肝炎などの例からの推測)からなのかもしれません。いずれにしろ、この世代にスポーツやリクリエーションなどの行動制限を課すのは不合理です。