いわゆるダブルスタンダードがまた。

 

愛知県岡崎市の中根市長。つい先日行われた市長選挙の公約が「市民一人に5万円配布」。

これを実現するために「市の貯金にあたる財政調整基金約81億円をすべて取り崩し、目的別の基金も廃止する。将来に備える財源をほぼ使い切る内容で、市議会の理解が得られるかは不透明だ。」と朝日新聞が報じている。

 

日本全国どこの自治体も、人口減による税収減と老朽化した公共財(水道など)の更新負担が待ち構えており、今ある余剰金をすべて使い果たすというのは普通に考えて無謀。

地方財政法は、公共施設を建設する財源にする場合などを除いて、地方自治体の財源を赤字公債で賄うことは認めていない。つまり、貯金がなければ、税収不足となったとき、直ちに住民サービスを削るしかなくなる。市営住宅の雨漏りさえ直せないことが以前報じられた夕張市のように。

 

したがって、朝日新聞やその他のメディアがこの市長の言動に首を捻っているのは当然だし、普通の感覚を持つ方々は同様の感想を持つだろう。

 

だが、そこで疑問が湧き上がる。

バラマキ政策で選挙民を煽動する本家本元の山本太郎氏の政策と、中根市長のどこが違うのか?

 

無限の打ち出の小槌と化した国債を使って、全額借金でバラまくのは良くて、あることは事実の貯金を取り崩してバラまくのは批判する、っておかしくないですか?

少なくとも貯めた人にそれを使う自由はあるはずで、貯金したのはまさに岡崎市民。その市民が選挙で選択したのだから、普通に考えると借金してまでバラまくよりはマシのような気がしますが。

まあ将来を考えると、どちらも全然推奨は出来ませんが。