経産省所管の持続化給付金事業。サービスデザイン推進協議会というよく分からないトンネル会社が,769億円という巨額の委託事務費で事業を受注していることが判明して問題となっている。

この件について過去2回に渡って記事で取り上げ,時間の制約がある中で財務金融委員会でも触れてきたが,現時点までに問題と考えていることは次の2つ。

 

1.巨額の委託事務費に見合った適正かつ迅速な業務をサービスデザイン推進協議会はしているのか。

2.巨額の委託事務費が適正なものであったか。

 

1番目については,端的に言えば給付スピードの問題。客観的な検証を行うには,申請から受付までの平均的数値や,最短,最長など統計的な報告を待つしかないが,一時,巷にはなかなか振り込まれないという不満の声が渦巻いていたことや,ドイツでは同様の事業で2,3日で振り込まれて驚嘆の声も上がっていたことは現時点での判断材料。あとはコストとの比較,つまりはコスパであり,今後の検証事項だろう。

 

2番目についても,事業費目ごとの詳細な内容が明らかにされないとハッキリとしたことは言えないが,私の事務所で本日までに比較のために同じ補正予算で事業化された全国民への10万円給付(特別定額給付金)について調べて見た。

 そうしたところ,同じ国の事業で,申請書類に対して形式的チェックしかしないのは同じ(持続化給付金の方がチェック事項は多いが)であってもかなりの差があることが判明した。

 下は私の事務所でまとめた表。

 

 

 もっともコストのかかりそうな審査業務にかかる人件費が特別定額給付金は自治体職員の通常業務として基本織り込まれていない(ただし,一括して外部委託の場合は国が負担することになる)ので単純比較はできないが,それにしても一件あたりの事務費が自前(自治体にお願いして)でやれば1件あたり1,146円(ただし自治体に負担は掛かる),丸投げだと38,450円~51,267円で30倍以上の開き。少し差がありすぎで事業の立て方として考えさせられる数字だ。