【日刊】是々非々ブロマガ【02月08日号】 | 嶽正義 チバを盛り上げる!
【編集前記】

7日午前に北朝鮮がミサイルを発射しました。
当然、ミサイル発射は国際社会の一員である日本政府としても許せない行為ではあります。
しかし今回のミサイル発射は既に昨年の時点で”予告”されていたものでした。
そしてミサイル発射の背景には度重なる「粛正」と「独裁体制強化」があるんです。
今日のブロマガではミサイル発射までの過程を追っていきます。

■張成沢氏の粛正と処刑が従来までの対中方針を変えるきっかけに

「核実験・・・中国に見せつけてやる」 若き指導者が自信を深めた3つの理由とは?

今回の北朝鮮による核実験のキーワードは「中国」でしょうね。
中国に対して金正日(キム・ジョンイル)総書記時代までの親中路線の転換を図り始めます。
大きなきっかけとなったのが、2013年12月に
叔父の張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑した事。
ここからこれまでの親中路線から強行路線へと金正恩氏の対中方針に変化が出始めます。

「ちょっと右よりですが・・・」

▼撮影日 2013年4月21日(土)
その2 北朝鮮は、田植えの時期になったら、戦争なんて出来ないよね・・・(笑)
http://www.nicovideo.jp/watch/1367562004

北朝鮮がミサイルを発射できる時期というのは限られています。
年がら年中、常に発射できるわけではないんですよね。
ミサイルには当然、燃料がいります。
打ち上げるだけの燃料を確保するのも北朝鮮では大変だと言われています。

動画の中でも北朝鮮労働党幹部の話しとして、食料不足についての話しが出ています。
労働党幹部はその中で食料不足の最大の理由について(※5分50秒過ぎ)

「中国からの援助がストップしたことだ」

とはっきりと断言しています。
週刊現代の記者さんが労働党幹部に話しを聞いたのは時系列から見て少なくとも、
張成沢氏が処刑される半年以上前のはず。

北朝鮮問題を話す時、多くの人達は確固たる情報が少ないので非常に苦労します。
専門家が限定されているのも、情報を得るのがそれだけ大変だという証です。
ですから私も断定したことは書けないのですが、
1つ言えるのは金正恩氏にとって張成沢氏は目障りな存在だったということ。

他の幹部は粛正しようと思えば粛正できても張成沢氏だけは別。
父である金正日氏の実妹を妻としている訳ですから簡単に粛正するわけにはいきません。
自身に次ぐ№2の待遇をしたのも、金正恩体制になった直後は権力を完全に掌握するまでに
叔父である張成沢氏を厚遇しないと自身の権力基盤に少なからず影響が出たから。
しかし権力を完全に掌握してからは、核開発にも否定的な張成沢氏が段々目障りな状態に。
金正恩氏は少しでも張成沢氏を粛正する口実が欲しかったはずです。
そのきっかけとなったのが先の中国からの援助がストップしたこと、
および「反党反革命分派行為」と呼ばれる罪を側近が犯してしまったこと。
これが結果的に自身が処刑される口実を金正恩氏に与えてしまったものと考えられます。

7月末、張と彼の取り巻きは決定的なミスを犯した。
ある日のパーティーの席上、張の最側近である党行政部の李竜河(リ・リョンハ)第一副部長、
張秀吉(チャ・ンスギル)副部長らが、酒に酔った勢いで「張部長同志、万歳!」
「張部長同志の万寿無疆を祝願します!」などと叫んだというのだ。

かの国において「万歳」を叫ぶ対象となるのは、
金日成・金正日の血統を継ぐ最高指導者以外はありえない。
その禁をおかしたことで、張の一派は「反党反革命分派行為」という、
北朝鮮では最悪の「罪」に問われることになる。

「この件は、ただちに最高司令官同志に報告されました。
そして9月、保衛部と護衛司令部に対して、
最高司令官命令001号、作戦名『ポップン(爆風)』の実行が命じられたのです。


週刊ポスト 2014.01.16
張成沢氏の粛正引き金 宴会で取り巻きが「万歳!」の痛恨ミス

これが北朝鮮の対中方針が変わるきっかけへと繋がったわけです。

■粛正による独裁体制の強化とミサイル発射の”予告”

張成沢氏は中国との重要な交渉窓口でした。
その張成沢氏の粛正を中国指導部と交流してきた当局者はこう話しています。。

中国指導部と交流してきた当局者によると、
中国政府は金第1書記を「統制ができず勝手な指導者」と認識している。
中国側の人々は張氏の処刑を目の当たりにして、
「金第1書記が1人独裁体制の強化のために今後も恐怖政治のいけにえを作り続けるなら、
予想できない事態が発生する可能性もある」と憂慮しているという。
韓国政府当局者は、「中国は表向きには冷静さを維持しているように見えるが、
内心では金第1書記に怒りと裏切りを感じているようだ」と述べた。

特に中国は、核実験に反対してきた張氏の処刑後、
金第1書記の4度目の核実験の可能性を憂慮している。
中国高官は、「北朝鮮が核実験を行なう場合、
中国は大国イメージを傷つけられることになる」とし、
核開発に反対する考えを繰り返し明らかにした。


金第1書記に対する中国の不信は、
金総書記の死去後2年間蓄積されてきたと、専門家たちは説明する。

金第1書記は2011年12月、父親の金総書記が死去した時、
中国から20万トンの緊急食糧支援を受けても何の謝礼も示さなかったという。
そのような北朝鮮を見て、中国当局者が茫然自失になったと、消息筋は伝えた。

東亜日報 2013.12.13
中国高官「張成沢処刑は中国を無視する行為」


中国指導部と交流してきた当局者の話しが事実だとすれば、
中国からの援助がストップしたことは半ば当然と言えますよね。
普通は20万トンもの緊急食糧支援を受けたら何らかの”謝意”くらいは示すでしょう。
それを示さなかったということは、金正恩氏は食料支援を「当然」だと思っていたのでしょうか。
これじゃあ中国当局者が茫然自失になるのも無理はありません。

また金正恩氏の独裁体制が更に強化される粛正が2015年にありました。
今度はロシアとの重要な交渉窓口になっていた玄永哲氏を2015年4月に粛正します。
この粛正理由がまた気の毒というか何と言うか・・・。


◆金正恩氏に不満を示し、数回にわたり指示に従わなかった
◆軍訓練幹部大会で居眠りしたため


これで粛正ですから恐怖政治ですよね。
しかも殺し方が高射機関銃での銃殺刑ですから本当に恐ろしい国です。
今の世の中に、まだこんな恐怖政治を強いている国家があること自体驚きです。
しかしこれは表向きの話しであって、裏の話しもあります。

「ちょっと右よりですが・・・」

第143回 週刊誌欠席裁判 ▼収録日:2015年5月30日(土)
その2:金正恩体制下の「今の平壌にあるのは恐怖だけだ」そうですよ。
http://www.nicovideo.jp/watch/1433495412

—改めて聞くが、玄永哲人民武力部長は、なぜ解任されたのか。

「玄永哲は4月中旬に、
5月の金正恩第一書記のロシア訪問の準備のために、モスクワを訪問した。
出国前に、金第一書記の面前で大見得を切って、4つの約束をした。

第一に、金正恩第一書記とプーチン大統領との単独の朝ロ首脳会談の実現。
第二に、5月9日の軍事パレードで、金正恩第一書記を、中国の習近平主席と共に、
プーチン大統領の両サイドに立たせて特別扱いすること。

第三に、ロシアから朝鮮への、十分な経済援助の獲得。
第四が、ロシア製ミサイルを朝鮮に売却してもらうことだ。

ところが、玄永哲部長はあろうことか、
このうちただの一つも、ロシア側に確約させられないまま、帰国したのだ。

金正恩第一書記が問い詰めると、ベラベラと偉そうに言い訳をして開き直った。
それで金第一書記が激昂し、『引っ捕らえろ!』と命じたのだ」


現代ビジネス 2015.07.16
朝鮮労働党幹部が告白「あの国防相玄永哲は犬に喰われて粛正された。
裏切り者には、銃弾すらもったいないから。」


玄永哲氏の粛正によって金正恩体制の独裁化が益々進むこととなります。
同時にロシアとの交渉窓口も失ったことで、北朝鮮の孤立化にも拍車が掛かりました。

■主権国家として核実験を行うことの正当性を訴える北朝鮮

今回のミサイル発射は事前に予定されていたことでもありました。
動画(7分30秒過ぎ)でも紹介されているように、
昨年10月10日の朝鮮労働党70周年の祝祭日について金正恩氏の意向はこうでした。

『党創建70周年を我が国と世界へ向けた”祝砲”で祝う』

大変迷惑な”祝砲”ではありますが、金正恩氏は半年以上前から”予告”していたわけです。
その祝砲が発射されたのが、2016年2月7日だったということになりました。
また「超強行派」の金英哲氏を党統一戦線部長と書記を兼務させたことからも分かるように、
金正恩氏の周辺にはいつの間にか対話路線を重視する「穏健派」の姿が消え、
金英哲氏のような「超強行派」が側近として就くようになりました。
ここからも『北朝鮮が核開発と核実験を放棄することは絶対ない』という強いメッセージを感じます。

今回のミサイル発射を国際社会の一員として非難するのは当たり前です。
ですが今の北朝鮮を非難したところで今後、北朝鮮が核開発と核実験を手放すことは有り得ません。
金正恩体制維持の為にも続けていくことが濃厚です。

■更なる制裁で苦しむのは『オブ』と一般国民

北朝鮮がどんなに核開発と核実験の正当性を訴えても国際社会は許さないでしょう。
ミサイル打ち上げ直後から早くも北朝鮮への更なる制裁をという声も上がっています。
実際に更なる制裁を加えれば、北朝鮮の軍部にも影響を与えることはできるでしょう。

北朝鮮の食糧事情はかなり深刻のようです。
既に軍部にも十分に食料が行き渡らないくらい食料不足は深刻だと言います。
国際社会からの緊急食糧支援を受けるには、最終的に朝鮮労働党の解党と、
金正恩体制を終わらせることが条件になると思われます。
しかしこの条件を金正恩氏が受け入れるとは到底思えません。
北朝鮮は今後も金正恩体制の維持と、国威発揚を込めたミサイル発射を止めないでしょう。
そうなると一番の被害者は北朝鮮の一般国民ということになります。

「ちょっと右よりですが・・・」
第170回 週刊誌欠席裁判 ▼収録日:2015年12月12日(土)
その3:北朝鮮からさ、本物の幽霊船が来てるだろ?あれ実はさ・・・
http://www.nicovideo.jp/watch/1450180994

日本でも2015年12月2日に北朝鮮のものと思われる船舶が漂着したことはニュースになりました。
海上保安庁によると「船体にハングルが書かれていることなどから、
朝鮮半島から来たと考えられる船の漂着は、
今年に入って12月2日までの間に34件、確認できています。
10月27日以降に限ると13隻、遺体は計25体見つかっています」


その他にも日本に上陸せずに海を漂流している北朝鮮の船が、
確認されていないだけで相当数彷徨い続けていることも考えられます。
発見されたご遺体のほとんどは北朝鮮の『オブ』と呼ばれる『漁夫』だと思われます。
この『オブ』の決意表明は、「悲痛な叫び」として紹介されています。

“戦場を離れるわけにはいかない。
仮に殉職しても、党への忠誠心で暴風をものともせず戦いぬきます”


北朝鮮のメディアでは漁師のことを『戦士』、海は『戦場』と表現されているのだとか。
”戦果”を挙げずに戻れば処分が待っている。
正に『進むも地獄、退くも地獄』を体現しているのが北朝鮮の水産事情なんです。
デイリー新潮 2015.12.21
舟と遺体が次々漂着! 「北朝鮮で何が起こっているのか」<週刊新潮>

金正恩氏は食料自給率100%を目指しているそうです。
昨夏にはスッポン工場を視察。
その際、スッポンに十分なエサが行き届いておらず、
水槽にも水がきちんと供給されていなかった為に、多くのスッポンの子どもが死にました。
責任をとらされる形でスッポン工場の責任者は銃殺される憂き目に遭います。

この失態を受けて金正恩氏は、今度は水産業に注力するよう幹部達に大号令をかけます。
それが上記の『オブ』と呼ばれる『漁夫』達が決死の航海に出る理由に繋がっています。
しかしどちらにしても北朝鮮にはまともな電力施設も無ければ、
日本のような立派な漁船があるわけでもないので何れも失敗することがほとんど。
失敗をする度に粛正されるのですから本当に”生き地獄”とはこのことですね。

結論としては金正恩体制を終わらせない限り、
近い内に日本でも「難民問題」に直面する機会がやってくるかもしれません。
それくらい北朝鮮国内は深刻な食料不足と独裁体制に悩まされています。

【鴎日記】北朝鮮のミサイル発射によりグラウンドに空襲警報が鳴り響く


北朝鮮のミサイル発射は石垣島でキャンプを張っているマリーンズの練習にも影響を及ぼしました。

【サンスポ】ロッテ・石垣島キャンプに空襲警報!! 北朝鮮のミサイルが上空通過か

練習は予定通り行われたようですが、首脳陣・選手・ファンは焦ったと思いますよ。
空襲警報が鳴った瞬間は石垣島にいた誰もが緊張感を覚えたはずです。
特に被害が出なかったのは本当に幸いでした。

【日刊スポーツ】ロッテ ミサイル注意「警報が鳴ったら練習中断」


そう言えば「北朝鮮のミサイル発射」と「ロッテ」で1つ思い出したことがありました。
1950年、まだ毎日オリオンズ時代のことです。

1950年といえば、ちょうど朝鮮戦争が始まった年でもあります。
この時に新兵器として脚光を浴びていた”ミサイル”から命名されたのがミサイル打線でした。
そのミサイル打線と呼ばれたのが毎日オリオンズ。
その後、1960年・70年にもそれぞれ親会社の頭文字をとったミサイル打線が誕生します。
簡単にその当時の中心選手をご紹介させていただきます。

毎日オリオンズ時代の中心選手は別当薫氏。
大毎オリオンズ時代は田宮謙次郎氏、榎本喜八氏、山内和弘氏らが中心メンバー。
ロッテオリオンズ時代はアルト・ロペス氏、ジョージ・アルトマン氏、有藤通世氏、山崎裕之氏らが活躍。
それぞれ1950年・60年・70年のオリオンズを象徴、代表するような素晴らしい選手達でした。

なんだか北朝鮮のせいで”ミサイル”っていうとすっかりネガティブなイメージになってしまいました。
振り返ってみると、プロ野球の世界での打線のネーミングには軍事関係が多かったですね。
例えば日本ハムファイターズの”ビッグバン打線”とか横浜ベイスターズの”マシンガン打線”、
また松竹ロビンズの”水爆打線”とか今ならネーミングし辛いものもあります。

昨年は長打力不足に随分と泣かされた千葉ロッテマリーンズ
”ロッテマリーンズ”でのミサイル打線の再復活は果たしてあるのでしょうか?!

[観戦成績] 000
[通算成績] パ・リーグ -位  000

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