楽しい入院生活 2 XX に 管 | Surrender To Unknown

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体が動けばハートが動く。体とつながる、自分とつながる。動く瞑想5リズムのティーチャーMasayoのブログです。

 

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これは、1997年〜1998年、入院中にリハビリがわりに書いたものの、書き直しです。

 

脳出血をした記録と入院生活で好奇心いっぱいにいろんな人を見た事と、私のエゴの記録です。

 

読み返したら、すごく愛おしくなったので、ここにあげることにしました。

 

興味があったら読んでくださると嬉しいです。

 

cover photo "depositphoto.com"

 


 

★overture (序曲)

 

 以前、うちの会社(CGの会社)の社長が検査のための入院をした。

会社を大きくする責任と厄年のゲンをかついで体を徹底的に調べてみようということだった。幸いどこもひっかからなくてよかったと、退院後おめでとうの飲み会を居酒屋でやった。 

 

 病院の雰囲気というのは嫌なものである。ましてどこかが悪くて手術ということにでもなったら…。全身麻酔で、酸素マスクをして、いかにも「病人」って感じがするから、心配倍増だよね、と誰かがい言った。 

 

 酸素マスクをつけたままオペ室から出てきて、意識が戻り、目をあけるまでのあいだ、見守る側としたら胃がちぢみあがる思いである。 

 

で、麻酔はどれくらいで切れるんだ?

 

「3時間くらい?半日とか、まあ、手術の内容にもよるんじゃないっすか。」なんて話しをしていた。 

 

社長は急にそわそわしながら、

「そんな長い間、麻酔かかってて

ト、トイレは我慢できるのか?」 

 

 

 

そこにいたメンバーは口をそろえて、

「やだー、社長、管ですよ、管!」

 

 

「何っ?管?」

 

 

社長は突然無口になった。ビールのグラスにも手をつけないで下をむいている。 

そして、わなわなしたかと思うとそのあと本気で怒り出した。 

 

「もう一度聞く!手術したら、絶対、管なのか?おれは今回たまたま、どこも悪くなくて手術をまぬがれたけれど、もし、手術していたら、俺も管だったのか?何でそんな大事なこと、皆、俺に教えてくれなかったんだ?石井(友人)も自分が手術の経験者のくせに何故そんな大ことを俺に隠してたんだ?なんでそんな大事なこと、学校の授業とかで教えないんだ!煙草にはちゃんと書いてあるぞ。健康のため吸いすぎに注意しましょうって。世の中の煙草、全部書き換えろ!手術をすると、尿道に管ですよ、って。そしたら、皆、管がいやで、もっと健康に注意するはずだ!!」

  

 

息つくまもなくこう言って一息にビールを飲み干した。

 

 

 

 

 とんでもないすごい論理である。

この男、絶対無理だよというようなことでもいつも論理的に筋立ててを話を有利にもっていく。それが、社長の経営手腕のひとつでもあった。

 

が、今回はそうはいかなかった。 

 

 

あまりにばかげていたため皆、大笑いして、

 

「やばいよ、社長、まじでこわがってるよ、」

 

「社長、はい、ビールおかわり。あ、やめときましょうねえ。尿道に管ですもんねえ。」 

 

「そ、そうだな。」

 

「社長、マジで怖いの?」

 

怖いとか、そういうことじゃない!尿道に、オマエ、管だぞ!そんな屈辱が耐えられるのか?」 

 

社長の質問に事務の女の子はお鍋を皆にとりわけながら淡々と言う。 

 

「しょうがないじゃないですかあ、命助かるんですから。」 

「そんなことしてまで、俺は命がほしくないっ!」

「やべえ、このオヤジ、ほんとに怖いんだぜ。」

 

居酒屋のおやじが「ハイっ、イクラ特上!」と持ってきたが、社員がいたずらっぽく 

「社長、そのイクラ、コレステロール高いですよ。尿道に管ですよ。」 

というと社長は大きくかぶりをふった。

 

もうこのあたりからは皆爆笑で、いかに効率よくからかうかと言うことに会の趣旨は 

変更されていた。

 

「あ、い、いかん、いかん。そうだな。じゃ、お前食え。

・・・で、管を通ったその、お、おしっこはどうなるんだ?」 

 

「だいじょうぶですよ。ビニールの袋にたまるようになってますから。」 

 

「それが、見舞に来てくれた人からみえるのかっ?」

 

「見えるのがやだったら、看護婦さんにたのんで見えないようにしてもらえばいいじゃないですか。」 

 

「そ、そうだな。で、でも、そこにたまってきたら い、いずれ溢れるだろう?それはどうするんだ?」 

「ビニールの袋の中身は捨てに行くんですよ。」

「か、看護婦さんというのはそんなに親切なのか?」

「あたりまえですよ。相手は病人ですからね。なんなら私もやってあげますよ。」 

と、事務の女の子、コミネ。

 

「コミネ、おまえは偉い奴だな。お、もう12時か、早く帰って寝なきゃな。尿道に管だからな。」 

 

腹のそこからげらげら笑った夜だった。

 

 

 

 

 

笑うんじゃなかった。。。

 

その管が、私に入っていた。

 

続く。 

 

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