誰でもできるフリップキャスト 第2章 実践編 | 阪神シーバス釣査隊

阪神シーバス釣査隊

おそらく釣れない方が多いシーバス釣行記 主に西宮や尼崎に出没します!

理論編は読んでいただけましたか?
この記事を先に見た方は、理論編から読んでいただくことをおすすめします。

理論編では少し小難しい説明でしたが、いよいよ実践編です。

1.タックルセッティング

まずはベイトタックル、これが無いと始まりません。スピニングでもやる人はいますが、ベイトタックルで覚えてからやった方が良いと思います。あと、右利きの人なら左巻きをおすすめします。バスの人はスピニングは左でもベイトは右という人も多いとは思いますが、連続穴撃ちには手返しの良い左巻きが有利です。

ロッドの長さはボートシーバスで使うのであれば6.6ft以上をおすすめします。短いと船のヘリに当たってしまいます。また、逆に7ft以上になると、デッキの高い面で投げる分には良いのですが、ボートの低い面で投げると水面を叩いたりする場合もあります。

ブレーキセッティングについては諸説ありますが、まずは強めで練習しましょう。
どちらかというと、メカニカルよりも遠心・マグネットなどのブレーキを強めにすべきと思います。

重要なのはルアー重量。軽すぎるとやりづらいので、まずはロッドウェイトの上限近いルアーから始めると良いと思います。


2.基本フォーム

投げやすい握り方は手の大きさによって変わるので一概には言えませんが、フリップキャストの場合は手首を使いませんので、がっちり固定できる位置、すなわち普段パーミングしている位置からはじめることをおすすめします。また、それで練習しておけば、実戦においても、左巻きリールならば持ち替えせずに連続キャストできます。

キャストの基本通り、親指が内側に来るように、リールを横向きに構えます。

グリップエンドを肘にぴったりとつけます。これが非常に重要です。これからキャスト終了までグリップエンドが腕から離れないようにすることが最重要ポイントです。
私は練習の時にロッドベルトで腕に巻きつけたりしてました(笑)。離れないようにするコツとしては、親指が少し下になるぐらい、リールが少し内側に斜めになるぐらいにまで手首を絞り込み、グリップエンドを肘に押し付けるようにすることです。

リールが水平だと、下の写真のようにグリップエンドが内側に出てくるので、

こんな風にグリップエンドがずれてしまいがちになります。


しっかりと絞り込んでグリップエンドを固定しましょう。
その状態で、ロッドティップが体の真正面にくるようにします。水平方向の角度は体に対して90度ではなくなりますが。垂直方向の角度は水平より少し下向き程度です。地面にぶつけそうになるので最初は肘を高く上げたほうが良いでしょう。

ルアー(シンカー)はトップガイドに当たるか当たらないかまで巻き上げ、タラシをゼロにします。

これで準備は完了です。


3.キャスト

理論編のグラフを思い出してください。
腕の動きとロッドの曲がりのイメージを確認してください。

まずはクラッチを切らずに、ロッドを曲げることだけやってみましょう。

ロッドを上に軽く振る→下に振る(元の位置を少し通り過ぎる)→元の位置に戻す
という動きです。

この時、手首は使わず、グリップエンドは肘から離さず、ロッドを平行に上下させてください。達人たちの手首スナップを使ったキャストの図や動画は一旦忘れてください。

また、この段階では力を入れず軽く振ってください。強く振るとルアーがティップに当たって破損する恐れがあります。
ただ、最後に元の位置に戻す動きの時に、ギュッとひじから先の筋肉を引き締めてください。

ロッドの振り幅は小さく。
上方向に7センチ、下方向に10センチ、上方向に3センチ動かして元の位置に戻す(筋肉を絞める)
という感じです。

わずかな動きでロッドが下に絞り込まれた後、上に跳ね上れば正解です。
ロッドが下に絞り込まれる際に、グリップエンドが肘にぐいっと食い込んでくる感覚がつかめればOKです。

では、いよいよ実際にキャストです。

先ほど同様の軽い振りからはじめましょう。
上に7センチ、下に10センチ、上に3センチ振ってピタッと止めた直後にスプールをリリースします。
このリリースタイミングは慣れるしかありません。
低い弾道で5-10メートル飛ぶように、ロッドの角度とリリースタイミングをつかんでください。
この時点では遠くに飛ばそうと考えてはいけません。
重みの乗る感覚、ロッドの曲がる感覚、リリースのタイミングを掴むことが先です。
きちんとブレなく振れると、小さいアクションで意外なほど飛距離が出ます。
うまくキャストできたときは、「肘でグリップエンドを押すことでキャストしている」感覚となります。

これが安定してできるようになれば、距離を伸ばしていきます。
これまで散々書いてきた落とし穴を思い出してください。
遠くに飛ばそうとすればするほど、悪い癖がまた出てきてしまいます。

注意点
強く振ろうとしない
前に飛ばそうとしない
手首のスナップを使わない


遠くに飛ばそうと思えば、最初に上に振る幅を少し増やしてください。決して最後に上に振る力を強くしようとしないでください。
上7センチ→下10センチ→上3センチ を
上17センチ→下20センチ→上3センチ にする感じです。
全行程の所要時間、リリースタイミングはそのままです。
ブレーキも徐々にゆるめていきましょう。

ある程度の距離が出せるようになれば、後は正確性です。
これは意外と簡単です。

最初にしっかりと目標に向かって構えます。ポイントはロッドを目標に向けるのではなく、体の中心(目と目の間)とルアーと目標が一直線になるように構えます。

その状態で目標から目を離さないようにして、目標に向かってロッドを上に振り、下に振り、上に振って戻すということをします。
最初の上振りの時に目標を狙って振るのです。最後の振りの時に目標を狙おうとしてしまいがちですが、その段階から狙ってもうまく方向をコントロールできません。

以上が基本です。

実際のボートの上では正面ではなく斜め方向に投げるとか、完全な上下動ではなく、少しサイドキャストの要素も入った斜め方向の上下動となることも多いです。
これは基本さえしっかりできていれば自然とできるようになると思います。

非常に長々と書いてきましたが、フリップキャストのキモをまとめると
1.グリップエンドを肘から離さない
2.タラシはゼロに
3.手首は絶対に使わず、ロッドを平行に上下させる
4.振り方は「軽く上げ、鋭く下して短く戻す」
5.前や上に投げようとしない(ロッドを跳ね上げない)


これらを守って練習すれば、誰でもきっと、フリップキャストが短期間で出来るようになります。




フリップキャストを駆使して、スリリングな穴撃ちゲームをどんどん楽しんでください!

長文にお付き合いありがとうございました!