※このブログは、正直どうでもいいことを、いかにうまく文章でもって皆からの共感・理解を獲られるかの試みである。
バイトが終わり、みんなで駅前でご飯食べて気持ちよく解散。
独りの帰り道、よく行くあるお店での出来事。
深夜なのでもちろん店内の客はまばらにいる程度、店員の姿は確認できない。
入店してソッコー、たちこめる臭気。SYUUKI !!!
日本列島名物。
そう、梅雨。
すなわち体臭シーズンである。
「ほほう、そうきたか…。
俺も男だ、いいだろう、受けて起とう」
俺は必死で、心の中の皆無に等しい余裕をいくらか見つけ出し、買い物に全神経を注ぐ。
すると、店の奥に太った男。なぜか汗だくである。
松本智津夫も驚嘆するほどの、このサリンの発信源を肉眼で確認するに至る。
特徴としては、テキサスサイズの体格。
ざ・たっちの二人をたして2で割らない感じ。
顔は見たくなかったから知らない。
そんなことより、やはり特出すべきはそのにおいだった。
そのすっぱさというと、キリストも罪を感じられずにいられない。
それ以下でも以上でもない。
なに食ったらあんなんが出せるのか、中国4000年の歴史をもってしても皆目検討はつかないだろう。
よく、『インド人もびっくり』というお決まりのジョークがあるが、まさに梅干もびっくりと言ったところか。
鼻どころか、油断すると目をもやられるんじゃないかと思い、心なしか薄目になる。
下手な動物園よりもひどいにおいに翻弄されつつ、
苦労の甲斐あってか、ついにはミネラルウォーター2本、好物のチーズをなんとか手にする。
こうなっては好物のチーズの食欲もない。
もう、だいなし。
思わずガスマスクは売ってないかと周りを見渡すと同時に、嗅覚が麻痺。
この悪夢から逃れるべくレジに向う俺の足取りは早足となり、レジへ。
すると店員不在。
ここで、俺の少ない前頭葉フル回転で考える…
「もし今、俺が無計画に『すいませーん』と言うようもんならば、奴が来る可能性がある。ここは一旦引いて作戦練り直すか」
言っておきますが、俺はいちいちレジでこんなこと考えたりしません。レジで人を選ぶことなんて生きててそうありません。
ということで別の店員がいないか店内を確認。
しかし神は私に試練を与えたのか、助け舟なし。
腹をくくり、すいませんの一言。
すると、
「はいっ! ただいまお伺いしますっ!」
無駄に声がデカい。
深夜に買い物しにくるやつはそんな接客望んでないのが現状。
こちとら疲れてるんだから是非そっとしといてって感じ。
そして近づくにおい。
ドスドスドス…
彼が横を通った瞬間の風、すなわちモンスーンを全身で浴びてしまった日にゃもうダメかとも思った。
はるか彼方で俺の帰りを待っている両親、
親孝行なんて何一つしてやれなかった俺を許してくれるだろうか。
気を抜くと、おそらく一般人なら走馬灯が見えること間違いなし。
俺は中学で剣道をしていたため、においへの忍耐は一般人のそれを超えていると自負してる。
「大変お待たせしました!」
デブなのにめちゃくちゃハキハキした言葉遣い。(偏見です)
もしくは聴覚までやられているということなのだろうか。
俺も同じ接客業のバイトとして見習わなければならないほど。
しかも手際のいいレジさばき。
そうです、認めたくないがかなり彼はいい接客をするのだ。
もし彼がにおいがきつい上に接客も悪いなら、
「あのクソ店員…」などと、別の意味で気持ちよく帰れたのだろうが、
彼が無駄にいい仕事するだけに、残念というかやりきれないし腑に落ちない感が芽生えた瞬間だった。
疲れているせいもあってか、このモヤモヤをどこにぶつけていいのか、キレ所を見失ってしまった。
おまけに、水2本とチーズを買っただなのに、
「お箸はご利用になられますか?」
の始末。
いやいや、あのさ…。いらないから。
「結構です」
だいたい俺が買ったのは「切れてるチーズ」だぞ?
それ箸使うか?
だってすでに切れてんだぞ?
お前が思ってるよりぶいぶん切れてんだからな。
って今のこの俺の心境がそれなのか?
山田君、座布団一枚持ってきて~みたいなあれなのか。
「はい、恐れ入ります!」
…。
それ以上はもう一切の空気を吸いたくなかったのでしゃべらないことにした。
「ちょうど500円になります!」
小銭なかったので千円を出す俺。
「お釣りが、ちょうど500円になります!」(すげーうれしそうに)
だろーな!! バカにしてんのか!
さっきから「ちょうど、ちょうど」うるせえんだ、
いちいちそんなデカい声で言わんでも知っとるわい!恥ずかしいだろ!
そんな感じで退店。
お決まりの「ありがとうございました!」
分かったから!
十分お前の誠意もにおいも伝わったから。
もうそっとしといてくれ。
その彼のありがとうございましたの言い方は、アンタッチャブルの山崎のような気取った言い方だった。
ただそれだけが心に響いた。
店内では息をできるだけ止めていたので、店内での一挙手一投足は熾烈を極めた。
その結果、母なる大地の地球の空気のうまさに気付く。
戦争下での生物兵器の実戦使用が懸念されている昨今、
ここ練馬の一角でそれに出会った。
彼は間違いなく練馬区のリーサルウエポン。
後ろを振り返る。
何も知らずにあの店に入っていくカップルが目に映る。
彼らは無事に出てこれるでしょうか、安否が気遣われる。
こんなくだらないことかいてるうちに小鳥が鳴き始めた。
なさけない限り。
なんだか刺激的な空間でした。