【「9」着用者を狙い撃ち】
 東京都三鷹市の紫野明日香さんは先月二十八日、高度プロフェショナル制度の採決があった参院厚生労働委員会を傍聴しようと国会を訪れた。国会の傍聴は初めてだった。

 Tシャツには「No9」「NO WAR」の文字がデザインされていた。参院西通用門での職員とのやりとりを紫野さんは次のように再現する
 「9を付けているね。そのようなものを付けて入ることはできません」「どうしてですか」「NO WARとも書いてあるだろう」「どうして駄目なんですか」「意思表示をしているものは駄目です」
 どうやら、九条擁護と戦争反対の意味を読み取ったらしい。そこで憲法には百三条まであることを念頭に、「1だったらいいですか」と尋ねると、「1だったら大丈夫」。さらに「5だったらどうですか」「5でも大丈夫」「では、なぜ9は駄目なんですか」「意思表示をしているからです」
 結局、紫野さんは持参したカーディガンを着てTシャツの文字を隠すように求められ、従った。混雑する委員会室で、暑さのためカーディガンを脱ごうとしたところ、すぐに別な職員がやって来て、「着てください」と迫られたという。
 参院警務部は、「職員とのやりとりの中で女性から「九条」という言葉もあったため、「示威宣伝にあたると判断した」と説明しる。その論理なら、「1」でも「1条擁護の示威宣伝」の擁護になり、「大丈夫」とはふに落ちないが、同部はそうした職員の発言は「確認できない」としている。
 紫野さんは「着たいものを着て秩序を乱さずに座っているだけで、とがめられるのはおかしい。なぜ九条だけがやり玉に挙げられるのか、『戦争反対』のどこが駄目なのか」と憤る。
 紫野さんがツイッターでこの一件を投稿すると、六千件以上リツイートされた。
(ここまで)

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読者のみなさんはどのようにお考えですか?

私はこれこそ改憲を行いたい安倍政権の手の内だと思います。

国会の傍聴は憲法で保障されています。

第六条 傍聴人が傍聴席にあるときは、左の事項を守らなければならない。

一 見苦しくない服装をすること。
二 帽子、外とう、かさ、つえ、かばん、えり巻き、包物等を着用又は携帯しないこと。
三 飲食又は喫煙をしないこと。
四 議場における言論に対して賛否を表明し、又は拍手をしないこと。
五 傍聴中、新聞紙又は書籍の類を閲読しないこと。
六 静粛を旨とし、議事の妨害になるような行為を、しないこと。
七 他人に迷惑をかけ、又は不体裁な行為をしないこと。
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2018/7/3
船橋市:弓場清孝