新年特別企画展示その2 | まさうさ4コマまんが♥︎わたくしのすきなもの♥フランスうさぎ

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masausaのフランス文化にふれる日常 漫画&デザイン装飾とフランス語

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新年特別企画

 

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たのしいひとり遊び

中世写本書体特集

 

昨日にひきつづき

書体解説 その2

いってみましょう
 
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まあ、わたくし
昔から字書くのが好きですわ
 
なので
わたくしが書いた
ブツを見たひとが
 
「まさか手書き?」
とか言うのには
なんとも思わないのですけど
 
最近というか特に
パソコンが普及した2000年以降
よく言われるようになった
 
「これはフォントに似てる!」
と言うのには
いつもこう反論しているのですわ
 
それは逆!
「フォントが手書きに似ているの!!」
 
そもそも太古の昔から
文字は手で書いていたのです
 
フォントは
その時その時の名人と言われていた
著名な書家の手書き文字に似せて
デザインされているのです
 
今では本の文字は
フォントでパソコン入力する
誰もができる仕事
 
でも昔は
鍛え抜かれた技を持つ職人だけが
専用筆で手書きする名人芸
 
そんなスゴイものに
魅力がないわけがない!
と思いませんこと?
 
 
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5月
Varsals
ヴァーサル
8世紀フランス写本より

これまた凝った装飾ですけど

昨日解説した

3月、4月と同じ書体です

 

文字に限らず

なんでもだけど

 

ほんと

色や細部のアレンジだけで

どれだけ印象が変わることか!

 

だからこそ

デザイナーという

職業があるワケだけど

 
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6月
Bâtarde
バタルド
12世紀フランス写本より

こちらは

フランス流草書体

 

フランスの王様は

コレでお手紙を書くのですわ

 

せっかくなので

イギリスとドイツの王様との

筆跡の違いを見て見ましょうね

 

 

 

上から順に

イギリス流

ドイツ流

フランス流

 

あなたはどれがお好み?

わたくしはやっぱり

フランスですけどね

 
 
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7月
Textura Prescisus
テキストゥーラ・プレシーサス
14世紀イギリス写本より

こういうのを通称

ゴシック体という

 

え?

ゴシック体って

こういうのじゃないの?

↓↓

大人気の現代フォント:ユニバース

 

と思うのは

日本特有の感覚

 

欧米では

わたくしたちが

ゴシック体と思っている書体は

 

サンセリフ・ローマン体

(セリフのないローマ風書体)

と呼ばれているのですわ

 

そのことについては

こちらの記事を

読んでいただくとして

アメリカさんの字

 

それに対してゴシックとは

ゴート風のという意味

 

ゴートとは

ゲルマン民族の大移動で

古代から中世にかけて

ローマ帝国内に移動してきた北方民族のうち

最終的にドイツに定着した人たちのこと

 

つまり

私たちがゴシックと思っている書体は

イタリア書体

 

ヨーロッパの人たちが

ゴシックと思っている書体は

ドイツ書体

 

と呼ばれている

という意味になるのです

 

なのでこのゴシック体は

ドイツ発祥なのですけど

 

中世12〜15世紀にかけて

ヨーロッパ全体で大流行

フランスでもイタリアでも

 

そしてイギリスでも

こぞってこの書体で

本を書いたってワケ

 

今は懐かしの

昭和時代に流行った丸文字みたいに

 

和文写植仮名書体:イクール体

 

この書体は

昭和時代の女子高生の手書き文字から

デザインされた書体

 

今の若い人は知らないだろうけど

わたくしが学生の時には

みんなノートに

こんな文字を書いていて

 

読みにくいとか

はしたないとか

果ては

こんなの日本語じゃないとか…

 

筆文字が基本の

明治大正生まれの大人の人から

散々けなされたけど

 

昭和っ子にとっては

学校で習う正書法の楷書文字で書くなんて

超ダサいとされていたのよ

 

今じゃこっちの方がダサいけど

 

流行ってスゴイわよね

こんなヘンなことを

みんなでこぞって

やり始めるんですもの

 

 
昨日
楷書体と草書体の違いを
解説しましたけど
 
そのなかで
古代書体の楷書と中世書体の草書を
比べておりましたが
実は中世書体の楷書はコレ
 
バスタード・セクレタリーなどは
直接的にはこういう書体から
派生しているのですわ
 
なので
7月:テキストーラ・プレシーサスは
通称:ゴシック体
 
1月:フラクトゥール(独)
2月:バスタード・セクレタリー(英)
6月:バタルド(仏)
の3書体は
通称:ゴシック草書体
 
と呼ばれています
 
 
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8月
Uncial
アンシャル
8世紀フランス写本より
コレもまた
かなり装飾的に
アレンジされているのですけど
 
一般的に
アンシャル体
と呼ばれているモノ
 
古代書体から中世書体への
過渡期に生まれた書体で
 
画数が少しだけ
省略されたデザイン
 
縦のラインが
中抜き状態ですけど
基本形はこういう感じ
 
 
そしてここで
この書体の過渡期的なところを
 
IとHで
楷書やゴシック草書と比べて
変化を確認してみると
こういう感じ
 
アンシャルのHの形をみると
 
ヴァーサルがアンシャルを経て
フラクトゥールや
バスタード・セクレタリーのような形に
変化しているのがわかると思いますわ
 
この後さらに
近代書体では省略が進んで
ほぼ全ての文字が
一筆描きになるのですわ
 
 
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わたくしたち
人類の歴史は
省略への道
なのかもしれないですわね
 
今世紀に入ってからは
手で書くことを省いたばかりか
プリントすることすら省いて
 
紙の存在が消えつつあるのには
心さびしいばかりですけど
 
そもそも文字の役目は伝達なので
それだけが効率よくできれば
それ以外のものは不用品
 
断捨離されるべきモノ
なのよね
 
紙が消えてくれたおかげで
ネットで毎日
世界中の博物館や修道院所蔵の
門外不出の写本がみれるので
良しとしよう
 
というか絶対に!
特に写本に関しては
ネット鑑賞が最高なのよ!!
 
そのことについては
またの機会に
じっくりお伝えしたいものですわ
 
 
ぜひ明日も引き続き
見てくださいな!!
 
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