遂に日本でも先日、1月27日に公開となったMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース 以後MCU表記)最新作『ドクター・ストレンジ』。
昨年『シビルウォー』にて死闘を繰り広げたアイアンマン、キャプテンアメリカがいる世界において遂に魔術の存在が明らかになったのです。
MCUもフェーズ3という段階に入り益々勢いを増すこの頃、本当に目が離せませんね。
それでは本題に入りたいと思います。
まず、この作品を語る上で欠かせないのが映像表現。
道路、建物が捻じ曲がり、変形し、再編される見事な描写に心が踊りました。また、魔法陣や様々なレリックによる戦闘描写が堪らなくカッコいい。詳しくはキャラクター個々のスタイルについてを含めて後ほど語りたいと思いますが、とにかく内なる中ニ魂が叫びをあげるくらいの代物で思わず真似したくなってしまいます。
そういった映像描写で一番好きだったのは終盤の時間が逆行する中でのバトルですね。人や物が予想出来ない動きをする空間での死闘、次の動きの読み合いなどの描写が堪らなく好きで、モルドの戦闘スキルが光っていたかなぁと個人的には思います。次点でエンシェント・ワンの2度目の対カエシリウス戦です。
また、素晴らしいVFXばかりに目が行きがちですが魔術を繰り出す際のムーブも素晴らしいですよね。その振り付け、そして役者さんによる演技によって更にリアルさが増し、我々観客がその世界観に没入できる要素となっているのは間違いないですし、説得力を持たせる大きな要因になっていると感じます。
映像描写でもう1つ語っておかなければならないのが、ストレンジが初めてカマタージを訪れた時にエンシェント・ワンにより体験させられたマルチバースの描写です。『アントマン』の量子世界の描写に似てますよね。量子世界が時間や空間を超越した、人類にとっては未知の世界と説明されている事からも、これからこの2つの作品の繋がりだったりが明らかにされていくのかもしれないですし、様々な考察が出来て今後の展開が非常に楽しみです。
加えて、公開が予定されている『アントマン&ザ・ワスプ』に今回『ドクター・ストレンジ』で視覚効果を担当したステファン・セレッティさんが起用されたというのだから期待せずには居られないです。
作品ごとの繋がりや小ネタを楽しみ、色々と考察出来るのがやはりMCUのウリの1つですよね。
圧倒的、革新的な映像描写もさる事ながら、本編のストーリーも手堅くヒーロー作品として王道な作りになっており、笑いどころも満載で万人ウケするものとなっているのかなと感じました。その一方で、カタルシスに欠ける部分もあり、やや否定的な意見が存在しているのも頷けるかなと思いました。MCUも作品を重ねフェーズ3と銘打っている訳ですし、もう少し冒険しても良かったのではないかとも思いますしね。
しかし、個人的にはドクターストレンジのオリジン、ヒーローとしての確立の物語という観点で見れば最高にアツい作品なのではないかと思います。
自分が築き上げた自分を肯定する全てのものを無くした者が、新たな道を自らの力で切り開き、真の道を見つけるまでの物語なのです。
物語冒頭、事故で腕を怪我する以前には、クリスティーンにERに誘われるも自分の求めるものとは違うという理由から断ったり、事故直前の助手?との会話では患者を自分の地位や技術という観点から判断して手術を行うか決めるという様な描写がありました。また、患者の家族とはコミュニケーションは殆ど取らない事が手術を施した患者の家族との接し方などから分かります。人の命を救うという意思を持っているものの、より多くの人の命を救い、それに全ての力を注ぎたいという一般的なヒーロー観の様なものは持ち得ていないという事、また、他人に関心がなく自分本位である事などが見えて来るのではないかと思います。勿論、それが悪だという訳ではないですし、寧ろ世の為、人の為に日々を過ごす素晴らしい人材であったことには違いありません。しかし、真の力を引き出せていないとエンシェントワンは言うです。ストレンジは失敗を恐れ、患者を救うのではなく自分を救う・守る為に医者として命を救っていたのではないか、それ故に力を最大限発揮出来ていないのではないかと。
つまりは失敗を恐れるがあまり力を最大限に発揮する事も出来ず、人々の命を救う事にも全力を注げずにいたという事なのでしょう。
ストレンジは腕の自由を失い、カマタージを訪れ、修行に身を投じ、学び、理解して行き、大きな世界の渦に飲み込まれるてゆく中で、世界の為に闘うなんて僕には出来ないとも発言しています。
しかし、ヴィランであるカエシリウスに自分を重ねたり、師であるエンシェントワンとの対話を通して自分という存在を考え直すのです。
クリスティーンに対する接し方にも変化が見られ、彼の内心の変化が上手く表現されているのが良いですよね。(ちなみに、香港に向かう直前の別れの際のキスは印象的で、初鑑賞時はうわぁぁとなりました。)
そして、数々の試練を経てドルマムゥ戦で遂に、他人の為に自らを犠牲にすること、そしてその為なら過去の自分が最も恐れていた失敗・負けでさえも受け入れるという当に'ヒーロー'的な高みに至った訳です。
ストレンジという人間の成長・確立の物語として非常にアツい展開だと思いませんか?その構図に気付かされた時、ドルマムゥとの決着のつけ方の巧さに圧倒されましたね。それ故にこの『ドクター・ストレンジ』という作品が大好きです。
今回がオリジンエピソードだっただけに、今後のアベンジャーズの面々との絡みや『インフィニティ・ウォー(仮)』での活躍に期待が膨らみますね。
さて、最後にキャラクターに対する個人的な感想等を書いて終えたいと思います。
7.クリスティーン
ストレンジとの恋模様、気になります。どっちに転ぶかまだ分からないですよね。
ストレンジが怪我をして病院にやってきたシーンは仕草や反応が可愛くて大好きです。
今後も何らかの形で出てきて欲しいですね。
6.ウォン
笑いどころの半分くらいは彼のシーンなのではないでしょうか?好きです。今後の活躍に期待したいですね。
5.ドルマムゥ
非常に可愛くて萌えました。
登場の噂を耳にしていましたがいざ劇中で名前を聞いた時の胸の昂り様は表現し難い程のものでした。もう少しデザインが原作寄りでも良かったのではないかとも思いますが……
サンクタム含め、描写からしてアガモットの眼(タイムストーン)>ドルマムゥっぽいですね。タイムストーンがなかなかに強大な力過ぎて開いた口が塞がらないです。完全に扱える様になれば、対象物の時間を戻すだけでなく、その場の時間そのもの、また分岐やループさえも自由自在という感じの様ですし、恐ろしい力です。
ドルマムゥがループに気付けたのは時間を超越した存在ゆえで、普通の人なら気付かないのでしょうか?その辺も気になりますよね。
4.カエシリウス
拘束具のシーンでどれだけのマッツファンが死を迎えた事か……
戦闘スタイルとしてはドルマムゥの暗黒ディメンションの力を得てからはミラーディメンション由来?の武器を使う様になっていてヴィランらしさもあり、通常の魔術師との差別化という観点からも良かったです。
他のMCUオリジン作品と同様、主人公と対極に位置する同じ力を有した存在、ifとしての可能性として描かれていたのもMCUのお決まり事項であって、好きでした。
3.エンシェントワン
性別を超越したカッコ良さで、しかし時折見せるウインクや落ち着かない仕草、'この景色を少しでも長く〜'の発言などの可愛さがずるいです。好きになるに決まっているじゃないですか。
冒頭のバトルの際でフードを被っている事が後の暗黒ディメンション由来の力の利用という点に繋がってくるのも良いですし、何より戦闘スタイルがとんでもなくカッコいいですよね。扇型の魔法陣で舞いながら攻撃する優雅さには惚れ惚れしてしまいます。
あと一つ気になる事と言えば、何度危機を回避しても必ずこの景色を見ると死の直前に言っていました。何の力によりそのヴィジョンを見たかにもよりますが、定められた死は避けられないという事でしょうか?謎が深まります。
2.モルド
原作ではカエシリウスの立ち位置に近いモルド。案の定、今回で闇堕ちしてしまうのは嬉しいやら悲しいやら。個人的にすごい好きなキャラクターでした。レリックのブーツをストレンジに披露するシーンが嬉しそうで大好きですね。ブーツを駆使した軽い身のこなしが観ていて気持ちいいですし、何と言ってもスカイウォークですよ 笑
ロマンですよね。
ストレンジに言った、レリックが選ぶとの発言に関してですが、カエシリウスらがレリックを使っていない事には関係性はあるのでしょうか?ただ単に高位の魔術師にはレリックが必要ないという理由なのかも知れませんが、レリックに見限られるという事もあるのかななんて思ったりもしました。レリックは単に魔術の相性だけで選ぶのか、それとも人の内面を含めて判断してくれるのか。今後の展開次第ですが、悪に堕ちたモルドがストレンジとの闘いの最中ブーツを使えなくなる展開とか泣けませんか?個人的にはそういうのが観たいななんて思ったりもします。
1.ドクターストレンジ
前述した通り見事なオリジンだったと思います。
最後に傷の残った手とともに、クリスティーンから貰ったであろう壊れてしまった時計を身に付けるシーンの素晴らしさ、ストレンジの覚悟が窺えるとてもいいシーンですよね。
マントとストレンジの関係もコメディちっくで楽しいです。明確な意思を持っているのも面白いですし、他のアベンジャーズのメンバーがそれを見てどんな反応をするのかも楽しみですね。
アストラルディメンション、ミラーディメンション、暗黒ディメンション等々マルチバースの存在が提示され、さらなる拡がりを魅せたMCUの世界観。ドクターストレンジがアベンジャーズにどんな影響をもたらすのか。期待に胸を膨らませ、今後もMCUの世界を楽しんでいきたいと改めて思わせてくれた素晴らしい作品だったのではないかと思います。
これからも映画やドラマ、アニメに関する感想を書いていこう思いますのでよろしくお願いします。
それでは今回はこれにて。
ご覧頂きありがとうございました。


