結局、味方はいない。
分かったようなフリして
親切なフリして
近づく周りの人達。
自分の浅はかさが嫌い。

すべてを投げ出して
部屋にひとりきりになる日も
またいいかもね。
彼に会ってから
わずかに歩んだ自分の人生が
ただの後悔にしか思えない。


彼は自分が思い描いた理想。
生れついた環境。
容姿。性格。
ライフスタイル。

一目惚れだった。

恋?憧れ?

俗な言い方をすれば
LOVEかLIKEかなどと
無神経なものだが


後悔をしないように
努力する人生に
嫌気が指した。

すでに後悔だ。



彼女に触れた瞬間
別の場所にいた。


どこかのホールのステージ。

赤い垂れ幕がサーカスを
彷彿とさせる。


私はステージの上で少女を
お姫様だっこしていた。

みんなが客席から
こちらを見ている。

ふとステージの端を見ると
これまた見慣れぬ少女が
パイプ椅子に
じっと座っている。


「アニー・シュシュは嘘つきだし、タバコも吸ってるし、今まで友達だったけど一緒にいるのが嫌だったの。」


急に話しはじめた少女は
こちらを見ようとはしなかった。

アニー・シュシュは
私の抱きしめている
少女の名前に違いなかった。

アニーはみるみる顔色を変え
今にも暴れだしそうだった。

途端に抱き抱えているものが
少女ではなく爆弾のように
思えて仕方がなかった。