JAXA 調布航空宇宙センター | しろグ

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ご来訪、ありがとうございます。
まあ、そうおっしゃらないで、ゆっくりしていってください。

本日、本来であれば裏高尾山域を富士山など愛でながら走ってはずなのだが、体調を考慮して本日は取りやめ……こうして文章をものしている。

ところで、木曜日に所用があってお邪魔した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の調布航空宇宙センター。いろいろと拝見したが、いや、もう本当に素晴らしい展示で、広報の方のお話に異常な熱心さで聞き入り、あれこれ質問して、仕事のお話など21/100くらいだった。

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 ※小型超音速実験機

これは、マッハ数2(対流圏下で600m/s・2,200km/h)の速度で滑空・飛行させて空力性能や表面圧力のデータ計測をするなど、次世代超音速実験機技術の研究開発の一環で行った実験で使用した機体。空気の流れを最適にするために機体表面が微妙にうねっていたり、データ計測のために無数のセンサーが機体に埋め込まれていたりと、技術の粋を結集して作られた実験機の実機である。

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 ※マッハ5クラスの極超音速実証機の模型

2025年あたりまでに、上記の実験機からどんどん発展させて、マッハ5で飛行出来る実証機に到達したいとのこと、、、マッハ5だと東京~ロサンゼルスが2時間! 飛行機と高速バスなど短ければ短いほどいいので、この時間短縮は極めて魅力的である。

この機体は高度25,000mの超高空を飛行する予定だそうだが、実用化されれば地球のどこへでも4時間で行けるそうな。今のところ定員は100名。このままでは全ての座席がファーストクラス扱いだったコンコルドのような料金設定になりそうだが、非常に楽しみな研究である。ちなみに、将来的には宇宙空間まで行ける機体を造るべく研究なさっているそうだ。

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 ※将来宇宙輸送システム

この変わった形の飛行機は、これまでの使い切りロケットに代わり、航空機のような運用が可能なスペースプレーンや再使用型宇宙輸送の実験機の実物。搭載されたコンピューターで制御された機体は完全に無人制御で着陸する。垂直尾翼がないので主翼がこのような形をしており、無人制御の着陸実験の際はヘリコプターで吊るしてから切り離したのだとか。

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 ※FJR710ターボファンエンジン

これは短距離離着陸(STOL)実験機「飛鳥」(左側に写っている模型)に搭載された、日本で初めて耐空性基準を満たしたエンジン。600~800m程度の滑走路でも離着陸出来るように開発されたエンジンなのだが、結局国が日本津々浦々に長い滑走路を持つ空港を整備したために、この実験は打ち切られたとのこと。他にも、垂直離着陸(VTOL)のエンジン(柱のすぐ横の縦型のエンジン。また、「飛鳥」の手前にあるのがそのエンジンを搭載した模型……小さい。。。)もあった。

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 ※様々な飛行機の模型

最後にスペース・ミッション・シミュレータを体験した。水平離陸のスペースプレーンで宇宙ステーションへ行き、月着陸船で月へ、そして地球への帰還を体験できるシミュレータである。シミュレータそのものは日本にも何箇所かあるそうだが、このプログラムはJAXAだけのものだそうだ。実際にやってみて、航空機が離陸する時の興奮はレースのスタート位置に立つ時のようなドキドキ感に似たものがあった。ところで、わたくしはどうもああいうものはへたくそのようだ……

屋外には日本が世界に誇る YS-11 のコクピットがあって、実際に操縦席に座ることが出来る。この度は時間がなくて無理だったが、次回お伺いする際は是非!……と考えている。今のようにデジタル計器満載ではなく、アナログメーターだらけのコクピット、楽しみだ!

日本の科学技術の最先端の一つを垣間見られてとても素晴らしかった。高校時代は落ちこぼれ理系少年だった私としては、夢かなわなかった科学者のほんのほんのカケラにでも触れられたような気がして幸せだった。