虹 | しろグ

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虹(レインボウ)とは赤から紫までの光のスペクトルが並んだ円弧状の光のこと。

太陽の光が空気中の水滴によって屈折やら反射されるとき、水滴がプリズムの役割をするため、光が分解されて複数色の帯に見える。我々はたいてい7色だと考えている。雨上がり、水しぶきをあげる滝、太陽を背にしてホースで水まきをした時などに良く見ることができる。主虹は1次の虹と呼ばれるはっきりとした虹の外側に、副虹または2次の虹と呼ばれるうっすらとした虹が見られることがある。主虹は赤が一番外側で紫が内側という構造をとるが、副虹は逆に赤が内側、紫が外側となっている。

主虹は【「太陽」-「プリズムとなる水滴」-「観察者」】のなす角度が40~42度となる位置に見られる。このため、虹は太陽の反対側にみられ、太陽が高い位置にあるときは小さな虹が、夕方など太陽が低い位置にあるときは大きな虹が見られる。また、副虹は【「太陽」-「プリズムとなる水滴」-「観察者」】のなす角度が51~53度となる位置に見られる。なので、副虹のほうが外側に見えるというわけである。また、虹が描く弧は、観察者を基点として、太陽とは正反対の方向、対日点が中心となるが、対日点は観察者から見れば地平線の下にあるので、虹は半円に見える。

ところが、完全な円に見える虹というものがある、とする仮説がある。
それは宇宙空間で見られるもので、星虹(スターボウ)と呼ばれる。光速近くで移動する宇宙船から星空を眺めると、ドップラー効果と特殊相対性理論の効果によって、星の見かけの位置が進行方向前方に移動し、進行方向を中心とした同心円状に星の色が変化して虹のように見える、といわれている現象のこと。英語のスターボウ(starbow)は、雨が作る虹rainbowから、星が作る虹という意味で作られた造語。

救急車のサイレンが、音源からの距離が連続的に変化することでその周波数を圧縮・延伸されて歪んで聞こえる現象(ドップラー効果)を体験した方は大勢おられると思うが、こういった音波と同じように、星から飛行中の宇宙船に向かって飛んで来る光の波長が圧縮・延伸されることにより”色が歪んで見える”……つまり飛行する宇宙船からは、相対的に接近し遠ざかってゆく星々が進行方向正面を中心とした同心円状の虹となって目に映るのではないかとする説がある。

しかし、仮に全ての恒星などからの光がすべて同一の波長であるならば明瞭に色が分かれた虹に見えるだろうが、実際には様々な星が様々な波長の光を放出している連続スペクトルであるため、虹ほど整然と分かれた色には見えないであろうとされている。それに、言うまでもないが、そんなものを実際に見た人はいないし、肉眼で見ることは不可能とも云われており、ましてや光速度近くで移動出来る宇宙船が作られる可能性は、今のところ示唆さえもない。

ちなみに、色が分解して虹が見られることを発見したのは、アイザック・ニュートンとされている。彼は望遠鏡の研究の過程においてプリズムに白色光をあてると色が分解することに気付いた。史上、スペクトルの発見とされている、彼の偉大な功績の一つである。

Landscape and portrait ver. 2

本日の夕方、例によって頭から湯気を出しながら仕事をしている折、砂を噛むような都会の景色の中に虹が現れた。一部にしてもこれだけくっきりとした虹を見ることは珍しい。そういえば、中途半端な天気だった。朝方はうちのスタッフの子が“魔界のような天気”と呼んだ雷雨、昼は降ったりやんだり、夕方も薄日に虹かと思えば、夜は雨。

この色彩を見ていると、人々が虹を見て様々な語を編んだのは当然だろう、と思う。
わたくしが「見積書」の数字を間違えるのも当然だろう、と思う。。。