元和通寳 背一  

形態 : 丸形穴あき銭 
分類 : 時代銭/年号銭 
サイズ : 直径 25mm、厚さ 1.5mm 
量目 : 5.4g 
材質 :銀? 

お宝度:◎◎◎◎

作銭度:上 

 

 

 

 

 

元和通寳 當百  

形態 : 楕円形穴あき銭 
分類 : 年号銭/創作銭 
サイズ : 縦 51mm、横 24mm、厚さ 2.8mm 
量目 : 17.2g 
材質 :銅 

お宝度:◎◎◎◎◎◎

作銭度:中 

 

 

 

 

元和通宝(げんなつうほう)は、

元和年間(1615~1624年)に鋳造されたとされる

江戸時代の元号を用いた、「寛永通寳」以前の銭貨です

 

「慶長通寳」と同様に、鋳造のことは正史に見えず

幕府によるものか、民鋳銭か

その発行経緯は、依然不明となっています

 

「慶長通宝」は、渡来銭に混じって出土することがあり

通貨として使われたことは、確かなようですが

「元和通宝」の出土例はなく、現存数は更に少ないので

通貨として広く流通したとは考えられず

試鋳貨幣にとどまった可能性があります

 

銭貨の形状は、丸形穴あき銭で

鋳造技術からみて、「慶長通宝」よりも優れ

後の「寛永通宝」に比較的近い状態です

 

後水尾天皇の御宸筆との説もあり

銭文は特徴的で、雄大さと穏やさが同居してる感じで

「和」の字の初画が右に大きく飛んで

風にさらわれた帽子のようですw

 

今回紹介の「元和通宝」について見てみると

最初の丸形銭は

 

銭様が上記特徴と一致しているのは、ともかく

裏側の孔下に「一」の文字が鋳込まれている上に

材質が一般的な銅ではなく、銀色の金属なので

さらに詳しく調べてみたところ

 

「元和通宝」には、銅銭と銀銭が存在し

銅銭は、一般の通用目的の一文銭であるのに対し

銀銭は、「永楽通宝」の銀銭を模倣した慶事記念用

の物とされ、背に漢数字が鋳込まれていることから

「番銭」と呼ばれているようです

 

鋳造地は、江戸かその周辺とみられていますが

銀銭は、水戸の鋳造とも言われています

 

次の楕円銭は、

通用銭の上位銭として試作されたと想定される

百文銭としての銭貨です

 

上位銭ということで高額感と格調高さを印象付けるため

小判形を採用していますが

この時代、天保通寳は発行されておらず

果たして穴あき銭で楕円銭の発想があったかどうか??

 

もし、あったとすれば面白いのですが

それを裏付ける記録もなく

銭様から見て、天保通寳の模写改鋳銭の類と判断するのが

順当と思われます

 

どうやら、当方サイトに収まるべくして存在する

キワ物のようですが・・・

とにかく珍品であることは、間違いありませんw