商賈行布 當百  

 

形態 : 楕円形穴あき銭 

分類 : 皇朝銭?/創作銭

サイズ : 縦 50mm、横 33mm、厚さ 3.0mm 

量目 : 23.1g 

材質 :銅 

お宝度:◎◎◎◎◎◎◎ 

作銭度:中 

 

 

 

 

 

1937年(昭和12年)、

奈良市伏見町西大寺畑山(現在の西大寺宝が丘)にて

開基勝寳31枚や金の延べ板などと共に

謎の銀銭の破片が発見されました。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/bd/Kak%C5%8D_coin_fragment_front.jpg

 

その破片は、丸形穴あき銭の右下部分で、

方孔の右部に「賈」、下部に「行」の文字が認められることから

本来の銭名は「○賈行○」あるいは「○行賈○」であるはずですが

 

日本でも中国大陸でもこの2文字を含む貨幣は史実に記載がなく

該当する貨幣の破片は、これ1点しか発見されていないことから

銭銘不明の謎の銭貨と言われています。

 

破片の質量は15.95グラム、厚さ7.3ミリメートルの分厚いものであり、

全体の復元質量は38~40グラム、直径34ミリメートルと推定されます。

 

開基勝寳と共に出土していることから、

天平宝字4年(760年)前後の発行と推測する説が有力で

 

この時期に唐において50文あるいは100文の

直径30〜36ミリメートル程度の大型銅銭が発行されていることから、

これらとの関係を指摘する説もあります

 

今回、満を持して紹介する楕円形穴あき銭は、

何と!銭銘が「商賈行布」!!

 

これって!・・・(汗)

丸形銭と楕円銭の違いはありますが

試作、創作は別にして

銭銘といい、100文程度の大型銭といい

謎の破片と関連があると見ていいのでは!?

 

因みに銭銘の出典については

中国の書周礼の「司市以商賈阜貨而行布」

から来ているようですね。

 

謎の破片の現物は、現在、開基勝寳と共に

東京国立博物館に保管されているということです。