伊豫通寳 背文  

 

形態 : 丸形穴あき銭 

分類 : 地方銭/創作銭 

サイズ : 直径 29mm、厚さ 2.0mm 

量目 : 6.3g 

材質 :銅 

お宝度:◎◎◎◎ 

作銭度:中 

 

 

 

 

伊予国は、予州ともいわれ、

現在の愛媛県全域を占める旧国名で

南海道に属する律令国の一つです

 

その名の由来は、「いゆ」→「いよ」という具合に

出湯(温泉)が訛ったとの説もあり

万葉の昔から温泉郷道後の名が知られています

 

中世、芸予諸島周辺の海域では

村上氏を筆頭に

水軍と呼ばれる海賊集団が勢力をふるっていて

 

日振島を拠点に起こした

藤原純友の反乱を平定した越智氏や

屋島や壇ノ浦で平家に壊滅的な打撃を与え

後に伊予の守護職に任じられた河野氏も

元を糺せば伊予水軍の一派です

 

豊臣秀吉により四国が平定されると

旧勢力は一掃され

江戸時代には、松山藩松平家を中心に

今治、大洲、宇和島など8藩が分立し

幕末に至りました

 

今回紹介するのは

そんな伊予という地名を銭銘に頂いた

伊豫通寳という丸形穴あき銭です

 

サイズ等から判断して

地域限定通用の一文銭として

試鋳したものと判断されますが

 

寛永通寳を意識しての作銭か

裏側に文の文字が鋳込まれています

 

寛永通寳の背文という銭貨は

寛文年間に鋳造されたことに由来するので

これも同年間の物なのでしょうか?

 

伊予では1690年(元禄3)に領内別子足谷山で

日本有数の銅鉱脈が発見されているので

銅銭の鋳造が盛んであっても不思議ではなく

 

他に、角形札銭 寛延通寳 拾匁

https://ameblo.jp/masatoman1980/entry-12592827143.html
という作銭も確認されています